「下鴨納涼 古本まつり」
2022年8月11日~16日
下鴨神社 糺(ただす)の森

自分にとって、お盆の頃の恒例行事がある。京都・下鴨神社 糺(ただす)の森で行われる古本まつり。古本店はもちろん、京阪神の「古本市」には足しげく通っているが、そのなかでも最大級で、セミの鳴くなか、木陰に立った数多くのテント(店)を、汗をかきかき巡るのは、まさに「夏まつり」。正直を言って、年齢を重ねるにつれて暑さが身に染みるようになり、億劫になりつつある。今年は暑さが厳しく、最近は突然の雷雨にも見舞われることがあり、迷っていたのだが…。やっぱり、「誘惑」に負けて、足を運んだ。幸い、訪れた12日は雨も降らず、木陰ではときどき涼しい風も吹くなか、けっこう「急ぎ足」でも2時間強はかかった。私の場合、古書と言われる高価で学術的な書物ではなく、いまでは書店にも図書館にも置かれていないような、いわばその時代に読み捨てられるような本を探すのが楽しみ。しかも安価で…。
結局、「3冊500円」という表示があった店で、次の3冊を購入した。「女剣劇」(1958年発行)は座長として人気があった浅香光代の自伝。序文を書いた作家の村上元三が「女剣劇という言葉は大嫌いだ」と書いているのが興味深い。まだ、未読なのだが、「女が剣劇をするなんて」という偏見ともたたかったのが想像できる。「女優貞奴」(1982年)。テレビ局を経て作家になった山口玲子が、芸妓から女優となり、アメリカでも人気を集めた川上貞奴(マダム貞奴)を題材にしたノンフィクション。そして、「歌は世につれ」(1983年)はNHKの音楽プロデューサーから日本コロムビアで活躍した丸山鐵雄が流行歌をテーマにしたエッセイ。
電車、地下鉄、バスを乗り継いで行ったので、交通費のほうが高くついたのだが、1つの趣味なので、これは気にならない。もう書斎はきっしりで、どこに並べようか、そちらが悩みだ。

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