アグネス・チャンの著書「心に響いた人生50の言葉」
2023年9月24日
サイン本お渡し会で取材会
ジュンク堂大阪本店で

♪丘の上 ひなげしの花で~ という「ひなげしの花」での透きとおった高音がいまも耳の残る。1972年、この曲で日本での歌手デビューをして51年。いまは歌手だけでなく、大学教授、ユニセフ・アジア親善大使など幅広い活動をしているアグネス・チャンが、エッセシストとして「心に響いた人生50の言葉」(かもがわ出版、税抜・1700円)を出版、24日に書店で開いた「サイン本お渡し会」の前に行われた取材会に参加した。
これまでにも「ひなげしの終活 -人生の最期にどんな記号を付ける?」「スタンフォード大に三人の息子を合格させた 50の教育法」「わたしが愛する日本」などや絵本を発表している彼女が挑んだのが、人生の中でさまざまな人から掛けられた言葉の数々。それを思い出して約1年をかけて書き上げたのがこの本。日本語で書いたというのが驚いたが、「話すよりも上手なんですよ」。それを、出版社がおなじみの〝アグネス節〟に「変換」して出来上がった。ちなみに年末から来年にかけて香港、中国でも発売されるという。
執筆していたのは、コロナが蔓延して行動が制限されていた時期。その間にも日本と香港を往復していたので、10数回も自宅待機や隔離生活を経験し、「隔離の達人ですよ」(笑い)。
「負けない!という気持ちを持ち続け、生きているだけで感謝。毎日が誕生日で『ハッピー・トゥ・ミー』と思って頑張りました」。こうして、「涙なくして書けない」ようなエピソードなどを「50」に絞った。なかでも、思い出すのは亡き父が遺した「迷った時は一番難しい道を選ぼう」。「裏切られたり、騙された時は、相手の幸せを祈ろう」。「頭の中に入った知識は一生、誰も奪うことができない」で、座右の銘にしているという。
ボランティア活動にも精力的で、2018年には内戦状態のウクライナ・ドンパス地方を訪れた。「警報がなると防空壕に入るのですが、小さい子が紙を頭にのせて防護しているんです。そういったもので、防護できないのに…。でも、私が持っていないと、小さな子が『助かるから』と私にくれたんですよね。ものすごく感動しました。誰かの心に撒くと花が咲く…。幸せなタネがいっぱい撒かれた気がしました」。
「この本を読んで、落ち込んでいたり迷っている人が少しでも立ち直ってもらえればいいなと思っています」とも話した。取材しているスペースの後ろには、「お渡し会」が始まるのを待ちきれない人たちが並んでいた。それを見て、「大阪でサイン会をするのは、アイドル時代にCDを販売した時以来で久しぶり」と、いまも変わらない笑顔をみせた。

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