2023年8月まで月曜、火曜の午後1時、2時30分の2回
9月から火曜、木曜の午後1時、2時30分の2回
SPACE9(あべのハルカス近鉄本店ウイング館9F)

上方落語の定席といえば、繁昌亭(大阪市北区天神橋)、喜楽館(神戸市兵庫区新開地)、動楽亭(大阪市西成区天王)などがあるが、近鉄百貨店内(大阪市阿倍野区阿部野橋)で開催されている「ハルカス寄席」も「定席」を視野に着々と実績をあげている。
2014年9月30日に「喜楽にらくご あべのハルカス寄席」として、桂文鹿、桂かい枝、桂阿か枝、林家染左、笑福亭由瓶、笑福亭喬若、笑福亭鉄瓶、桂福丸の8人で第1回を開催。翌年4月からは、月に1回から2回になり、落語家だけでなく講談師や漫談のメンバー も加わり16人に。さらに2017年4月からは月2回から週に1回(火曜日)、2022年10月からは、桂二葉、真山隼人(浪曲)ら若手5人も加わり総勢24人が1部、2部それぞれに3人が出演して興行を行ってきた。客席数50程度というコンパクトな空間で、「安く短く面白く」がコンセプト。1公演が1時間をめどに3席あって、1公演1500円、2公演通しで2000円という安さ。これで、出演料は大丈夫?(笑い)といらぬ心配までしてしまうほどだ。
それが、さらにパワーアップ、2023年8月からは、 露の新治、桂雀々、桂三歩、桂春若、笑福亭松喬、笑福亭銀瓶、桂千朝、桂梅團治、笑福亭生喬、笑福亭枝鶴、 桂三象、笑福亭鶴笑という豊富なキャリアの12人が加わり、出演メンバー総勢が35人となる。
その会見が7月13日に行われ、世話役の桂かい枝、桂文鹿、そして新たに加わった桂雀々、桂春若、桂千朝、桂三象、桂三歩、笑福亭生喬、笑福亭枝鶴(順不同)が出席。笑いのなかでのなごやかな会見となったが、さすが落語家! それぞれの言葉のなかに、意気込みや落語に賭ける心情などがさりげなく込められていた。そこで9人のコメントを要約する。
◆桂かい枝=「棚卸でものを置いていた場所でイベントができないか?」という相談を受けたことで寄席ができた。年功序列ではない出番順が組めるので、若手も我々もお互いに刺激しあい、いろいろな勉強ができる場だと思っている。
◆桂文鹿=自分の出る順番がわからないので、ネタ数をたくさん用意していないと、こなせない寄席。やっていくなかで、「重し」が足りないと感じていたので、ベテランたちの力を借りて、「ハルカス寄席」に「重み」をもたせていただきたい。
◆桂雀々=東京に移って11年。江戸の落語家の中に入っていると「上方」が恋しくなり、原点に戻りたいというタイミングに声がかかった。後輩たちと刺激しあういい機会になると嬉しく思っている。
◆桂春若=この会見の前には、昭和61年からやっている「平野寄席」(214回目)に行ってました。伝統と継続は力。この寄席も「そのまま」やっていただきたい。
◆桂千朝=高島屋のローズシアターであった「若手会」以来の百貨店での寄席。お客さんの雰囲気にあわせて、いろいろなネタをやってみたい。
◆桂三象=「囃されたら踊れ」という言葉が好きで、声をかけてもらっているうちが花。落ち着いて上方落語の楽しさを知ってもらえるようにしたい。
◆桂三歩=「後輩が、こんなネタもやるんや!」…いうのはようしません(笑い)。こういうふうにやっていてもええねんな、というようなスタンスでやっていきます。
◆笑福亭生喬=。この近くに住んでいて、なにかあったら、15分で楽屋入りできます(笑い)。鳴り物も入るので、ハメものもやっていきたい。
◆笑福亭枝鶴=棚卸な場所ということでネタも棚卸をしたいし、めったにできない前座ネタもやって修行していた時の気持ちにも戻りたい。
「ハルカス寄席」には何度か行ったが、これらを聞いて、改めて「これはもっと通わないと」と思える、楽しくも有意義な会見だった。

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