アクション冒険大作

2023年7月28日から全国ロードショー

原泰久原作漫画を実写映画化したシリーズ第3弾「キングダム 運命の炎」(佐藤信介監督。東宝配給)が28日からロードショー公開される。前2作の大ヒットを受けて、「作品のさらなる高みを目指して」と佐藤監督らスタッフと主演の山﨑賢人(28)らスター陣が取り組んだアクション冒険大作。紀元前の中国戦国時代を舞台に、戦災孤児の青年・信(山﨑)が中華統一を目指す秦の若き王・嬴政(吉沢亮)のために闘う姿を描いている。
見せ場は当時の甲冑姿で闘うアクションシーンで山﨑をはじめスター陣が猛烈な動きを見せていること。「数万規模の大軍勢を率いまるでチェスのような知略戦を展開」という佐藤監督の演出のもと、今回総大将になる王騎(大沢たかお)と、信が隊長の飛信隊の尾平(岡山天音)、尾到(三浦貴大)らが再集結。今回は嬴政がかつて趙の国の人質にあってそこをどう脱出したかが明かされ、恩人の紫夏(杏)らが登場。ほかに片岡愛之助、山田裕貴、山本耕史らが新参加。
むろん、山民族の楊端和(長澤まさみ)、今回は飛信隊の副将になる羌かい(清野菜名)の2人も参戦しカッコいい女戦士ぶりを見せてくれる。秦内大臣の高嶋政宏、加藤雅也、玉木宏、そして佐藤浩市が絡んで、敵軍攻略の知恵を巡らせる。軍師見習いの河了貂(橋本環奈)も可愛く再登場。男達の闘いの合間に見せる橋本のチャーミングな笑顔にホッとさせられる。
しかし、主役を演じる山﨑にとって信の役は「七人の侍」の三船敏郎であり、その成長のプロセスも見どころ。行定勲監督の「劇場」(2020年)の演劇青年の役から一転しての活劇のヒーローぶりは鮮やかである。監督の佐藤は自主映画出身で行定監督とは「ひまわり」「春の雪」で脚本に参加した間柄。また「GANTZ」シリーズ、「図書館戦争」シリーズなどでエンタメ映画の才能を見せていたのも記憶に新しい。
俳優でもう一人、王騎の大沢がエンタメ大作でどーんと存在感を見せているのが印象的。磯村一路監督の映画「解夏」で演技派若手スターとして登場し、テレビドラマ「JIN仁」シリーズなどの活躍もあるが、「キングダム」シリーズの王騎役は目を見張った。俳優と役の良き出会いというべきだろう。

写真は「キングダム 運命の炎」ポスター(C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会

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