松本幸四郎で新シリーズ

歌舞伎俳優の松本幸四郎(50)が池波正太郎生誕100年企画「鬼平犯科帳」の火付盗賊改方長官・長谷川平蔵役を先代の故中村吉右衛門から引き継ぎ撮影が始まった。幸四郎は「なぜ鬼と呼ばれることになったかを人間ドラマとして面白く演じたい」と力が入っている。平蔵の若き日の銕三郎を幸四郎の息子の市川染五郎(18)、妻の久栄に仙道敦子(53)、密偵おまさに中村ゆり(41)といった新しいキャスティングが揃って京都の松竹撮影所でお披露目が行われた。
鬼平の初代は八代目松本幸四郎(初代松本白鷗)で、当代十代目幸四郎の祖父。続き丹波哲郎、萬屋錦之介が演じたあと二代目中村吉右衛門がこれを長く演じ人気を博した。幸四郎は「叔父の鬼平をただカッコいいと思って見ていた印象が強い。そんな役を今回改めて演じられて幸せで、素直に受け入れて演じたい」と万全の態勢だ。
多岐川裕美が演じた妻の久栄に仙道、梶芽衣子の密偵おまさに中村という女優陣に加えて、火野正平(74)、本宮泰風(51)、浅利陽介(35)、山田純大(50)、久保田悠来(41)、柄本時生(33)といった男優陣が共演し物語を盛り上げる。また鬼平の若き日を演じる染五郎は「これまであまり描かれなかったエピソードも加えられ、やんちゃな平蔵の青春時代に挑戦します」と笑顔を見せる。
「鬼平犯科帳」はまずテレビ2時間スペシャルとして来年1月放送・配信予定の「―本所・桜屋敷」(時代劇専門チャンネル)に始まり、同5月公開予定の劇映画「―決闘」(松竹配給)、5月以降放送・配信予定のテレビシリーズ2話「―でくの十蔵」「―血頭の丹兵衛」(時代劇専門チャンネル)へと続く。東映の名匠山下耕作監督の息子の山下智彦監督がメガホンをとる。ベテラン俳優の火野は「原作者の池波先生が僕の芸名の名付け親で、ご縁があって…」と腕を撫しているようだ。

写真は「鬼平犯科帳」の撮影に入った松本幸四郎(前列中央)と共演者たち=京都の松竹撮影所

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