AI人形の反乱!

2023年6月9日から公開

「ソウ」シリーズや「死霊館」などホラー映画人気監督のジェームズ・ワンと「パラノーマル・アクティビティ」などホラー映画プロデューサーのジェイソン・ブラムが共同製作した新作ホラー「M3GAN ミーガン」(ジェラルド・ジョンストン監督。東宝東和配給)が6月9日から全国ロードショー公開される。お友達AI人形と少女の恐怖劇で、チャット時代の新型ホラーの出現というべきだろう。
プロデューサーの2人はスリラー映画の職人でヒット作を量産。「インシディアス」シリーズで監督+製作のコンビを組んで以来の顔あわせで、今回は両方がプロデューサーに回り、ニュージーランド出身でほとんど無名のジェラルド・ジョンストンに監督を任せている。ヒットメーカー2人の狙いはチャット時代のAI人形を主人公にしていることで、例えば「チャイルド・プレイ」シリーズのチャッキー(人形)がミーガンという女の子に代わり、人間とコミュニケーションできるお友だちという違いがある。
おもちゃメーカーに勤める独身のジェマ(アリソン・ウイリアムズ)が、姉夫婦の交通事故死で一人娘の9歳のケイディ(ヴァイオレット・マックロウ)を預かることになり生活が一変する。ジェマは会社でAIを搭載した人形の開発に携わっており、ミーガンという名のそれをお友だちとしてケイディに与える。あらゆることからケイディを守るようにプログラミングされているが、まだ実験段階だけにジェマに一抹の不安はある。心が癒えない少女にどう対処していいか分からない彼女はミーガンに頼ることにする。
可愛い顔をしたミーガンはケイディとすぐに親しくなり、気が合ったお友だちのように話し、行動を共にするが、ジェマはケイディがミーガンに依存しすぎるのが気になる。会社ではジェマの実験具合を聞いてミーガンを発売することを決めるが、果たしてうまくいくだろうか。
やがてケイディの周辺で奇妙な出来事が連続して起きる。ケイディを噛んだ隣家の犬が失踪し、小学校でケイディをいじめていた男の子が交通事故死し、不仲だった隣人の女性が惨殺される。ミーガンが一人で相手の前で突然踊り出し、襲い始めるシーンは不気味で一途な狂気が連鎖していく。ミーガンの顔とルックスが可愛いだけに怖くリアルに映る。ジェマはある決断をするしかない。
遠くから見ると人間、そばに寄ると人形のようである。コンピューター頭脳の反乱は「2001年宇宙の旅」(1968年)から見ているが、今作は古くて新しいホラー映画といえよう。

写真は「ミーガン」の一場面(C)UNIVERSAL STUDIOS

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