2022年は、007シリーズの映画が始まって60周年だった。定期的に新作が誕生するシリーズで60年続く、というのは007以外に存在しない。

なぜ、ここまで続くのか。私なりの答えがある。

それは、イオンプロダクション、という、中小企業が007シリーズ製作の根幹を握っているからだ。アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンが共同出資で創設した会社だ。いわゆる同族系の中小企業で、007シリーズの製作を中心に経営を行っている。(ちなみにアルバート・ブロッコリは、野菜のブロッコリを生んだ家の親族だ。)

彼らには、007シリーズしかなかった。ショーン・コネリーがボンドをいやがり、年齢も重ねてきたとき、行き詰まった。

“このままでは、経営を維持できない。”

そこで考えたのが、

“ボンド役を他の俳優に変えたらどうだろうか?”ということだった。

リメイクならありえるが、継続シリーズで主役の俳優を変える、というのは、お金を出す側としてはかなりのチャレンジだ。というよりも大博打に近い。しかし、中小企業が波に乗るには、大きな賭けにでることがあるのも事実だ。

で、ジョージ・レイゼンビーに変えた。案の定、興業的には失敗した。しかし、手ごたえはつかんだ。再度、1作だけショーン・コネリーにお願いし、ロジャー・ムーアに交代した。結果は、大成功だった。

以降、定期的にボンド交代をイベントとして、シリーズは今に至っている。

彼らは気づいたのだ。お客はジェームス・ボンドを見に来ているのだ、と。ボンドそのものがブランドであり、その価値を追求することにしたのだ。

どこにも書かれていないが、おそらくはそうではないか、と考えるのだ。

簡単なことのようだが、大手映画会社では、このような大胆な決断はできない。提案したとしても、上層部が許さない。

同じ1962年に始まった日本映画に、大映の「座頭市シリーズ」がある。

数年のうちに10作以上製作し、終了した。その後、勝プロがTVなどで続けたが、どこまでいっても勝新太郎ありきだ。

「男はつらいよ」シリーズも、渥美 清ありきだ。俳優に依存すれば、年齢を重ねるごとに、見る側も限界がきているのがわかる。

大手企業では、経営を長く続けることより、目先の興行が大事なのだ。となると、稼いでいる俳優でいけるところまで演じてもらう、しか術がない。

イオンプロのような、中小企業的な発想にはならないのだ。

イオンプロダクションは現在、創業者の娘である、バーバラ・ブロッコリが代表を務めている。ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグのシリーズは、彼女のもとで製作された。立派な後継者である。

わが家では、ブロッコリを食べるたびに、嫁と007シリーズの話題になるのだ。

007シリーズが60年も続くわけ

 2022年は、007シリーズの映画が始まって60周年だった。定期的に新作が誕生するシリーズで60年続く、というのは007以外に存在しない。
なぜ、ここまで続くのか。私なりの答えがある。

それは、イオンプロダクション、という、中小企業が007シリーズ製作の根幹を握っているからだ。アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンが共同出資で創設した会社だ。いわゆる同族系の中小企業で、007シリーズの製作を中心に経営を行っている。(ちなみにアルバート・ブロッコリは、野菜のブロッコリを生んだ家の親族だ。)

彼らには、007シリーズしかなかった。ショーン・コネリーがボンドをいやがり、年齢も重ねてきたとき、行き詰まった。
“このままでは、経営を維持できない。”
そこで考えたのが、
“ボンド役を他の俳優に変えたらどうだろうか?”ということだった。
リメイクならありえるが、継続シリーズで主役の俳優を変える、というのは、お金を出す側としてはかなりのチャレンジだ。というよりも大博打に近い。しかし、中小企業が波に乗るには、大きな賭けにでることがあるのも事実だ。
で、ジョージ・レイゼンビーに変えた。案の定、興業的には失敗した。しかし、手ごたえはつかんだ。再度、1作だけショーン・コネリーにお願いし、ロジャー・ムーアに交代した。結果は、大成功だった。
以降、定期的にボンド交代をイベントとして、シリーズは今に至っている。
彼らは気づいたのだ。お客はジェームス・ボンドを見に来ているのだ、と。ボンドそのものがブランドであり、その価値を追求することにしたのだ。
どこにも書かれていないが、おそらくはそうではないか、と考えるのだ。

簡単なことのようだが、大手映画会社では、このような大胆な決断はできない。提案したとしても、上層部が許さない。
同じ1962年に始まった日本映画に、大映の「座頭市シリーズ」がある。
数年のうちに10作以上製作し、終了した。その後、勝プロがTVなどで続けたが、どこまでいっても勝新太郎ありきだ。
「男はつらいよ」シリーズも、渥美 清ありきだ。俳優に依存すれば、年齢を重ねるごとに、見る側も限界がきているのがわかる。
大手企業では、経営を長く続けることより、目先の興行が大事なのだ。となると、稼いでいる俳優でいけるところまで演じてもらう、しか術がない。
イオンプロのような、中小企業的な発想にはならないのだ。

イオンプロダクションは現在、創業者の娘である、バーバラ・ブロッコリが代表を務めている。ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグのシリーズは、彼女のもとで製作された。立派な後継者である。
わが家では、ブロッコリを食べるたびに、嫁と007シリーズの話題になるのだ。

 2022年は、007シリーズの映画が始まって60周年だった。定期的に新作が誕生するシリーズで60年続く、というのは007以外に存在しない。
なぜ、ここまで続くのか。私なりの答えがある。

それは、イオンプロダクション、という、中小企業が007シリーズ製作の根幹を握っているからだ。アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンが共同出資で創設した会社だ。いわゆる同族系の中小企業で、007シリーズの製作を中心に経営を行っている。(ちなみにアルバート・ブロッコリは、野菜のブロッコリを生んだ家の親族だ。)

彼らには、007シリーズしかなかった。ショーン・コネリーがボンドをいやがり、年齢も重ねてきたとき、行き詰まった。
“このままでは、経営を維持できない。”
そこで考えたのが、
“ボンド役を他の俳優に変えたらどうだろうか?”ということだった。
リメイクならありえるが、継続シリーズで主役の俳優を変える、というのは、お金を出す側としてはかなりのチャレンジだ。というよりも大博打に近い。しかし、中小企業が波に乗るには、大きな賭けにでることがあるのも事実だ。
で、ジョージ・レイゼンビーに変えた。案の定、興業的には失敗した。しかし、手ごたえはつかんだ。再度、1作だけショーン・コネリーにお願いし、ロジャー・ムーアに交代した。結果は、大成功だった。
以降、定期的にボンド交代をイベントとして、シリーズは今に至っている。
彼らは気づいたのだ。お客はジェームス・ボンドを見に来ているのだ、と。ボンドそのものがブランドであり、その価値を追求することにしたのだ。
どこにも書かれていないが、おそらくはそうではないか、と考えるのだ。

簡単なことのようだが、大手映画会社では、このような大胆な決断はできない。提案したとしても、上層部が許さない。
同じ1962年に始まった日本映画に、大映の「座頭市シリーズ」がある。
数年のうちに10作以上製作し、終了した。その後、勝プロがTVなどで続けたが、どこまでいっても勝新太郎ありきだ。
「男はつらいよ」シリーズも、渥美 清ありきだ。俳優に依存すれば、年齢を重ねるごとに、見る側も限界がきているのがわかる。
大手企業では、経営を長く続けることより、目先の興行が大事なのだ。となると、稼いでいる俳優でいけるところまで演じてもらう、しか術がない。
イオンプロのような、中小企業的な発想にはならないのだ。

イオンプロダクションは現在、創業者の娘である、バーバラ・ブロッコリが代表を務めている。ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグのシリーズは、彼女のもとで製作された。立派な後継者である。
わが家では、ブロッコリを食べるたびに、嫁と007シリーズの話題になるのだ。

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