「ふたりの銀ちゃん@繁昌亭VOL2」
2022年6月13日
天満天神繁昌亭
つかこうへい作・演出の舞台や深作欣二監督の「蒲田行進曲」で銀ちゃんを演じた風間壮夫、上方落語会で銀ちゃんと呼ばれている笑福亭銀瓶による落語会。銀瓶は本職だが、風間は趣味の域を超える腕。かつて、インタビューした時、「趣味は?」と聞いたところ、「麻雀。メンバーがあと3人足らないんだよ、と仲間に電話する」と洒落た答えが返ってきた。くしくも上方、江戸の落語対決としても楽しめた。さらに、対談も〝共演した映画〟「のみとり侍」(2018年)のエピソードなどで盛り上がった。
演目は笑福亭呂好が「平林」をつとめた後、銀瓶が艶っぽい噺「紙入れ」、そして風間が「宿屋の富」を。上方では「高津の富」という話で、高津神社近くの宿が江戸では湯島天神近くに改変されている。みどころは富くじの大当たりの番号「子(ね)の千三百六十五」を何度も確かめていく場面。最初は「惜しいなあ~」と言っていたのが、どんぴしゃりと分かった瞬間が、演者の腕のみせどころ。そこを風間は、こっけいな表情よりも驚き動転する様を演じてみせて、大きな笑いを誘った。落語の基本である上下(かみしも)も自然で、〝ひとり芸〟として確立している。
一方、銀瓶は最後に「景清」をたっぷりと。目が不自由な男という設定で、テレビなどではなかなか演じられなくなった噺で、笑いも少ないが、神頼みをしながら満願しない?男のじれんま、リアルな想いが伝わってきた。
繁昌亭では2回目の催し。今後もぜひみたい顔合わせだ。
ふたりの銀ちゃん@繁昌亭 vol.2 | 天満天神繁昌亭|上方落語専門の定席 (hanjotei.jp)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA