「曲師の会」

         2022年4月17日 シアターセブン

              

 こんな会が7年、これまで22回も続いていたのを知らなかった。曲師(きょくし)とは、浪曲師の節に合わせて三味線を奏でる人のこと。衝立をして演奏する人もいて、まさに「陰の存在」。芸能賞の審査をした時、ある曲師の受賞を提案したところ、大先輩に「曲師は対象ではない」といったようなことを言われたこともあった。

 この会は、そんな曲師に焦点を当てるもので、沢村さくらをメインに、一緒に高座をつとめている浪曲師・真山隼人も出演。「山月記」と「首護送」の2席を披露。そして、この会ならではの、浪曲、三味線についてのトーク。節には、大きく分けて「関東節」という高音を奏でるものと、「水調子」という低音のものがあるそう。さらに、明治時代に録音された「鍋島騒動」や桃中軒雲右衛門の語りなどを収録した珍しい音源も聴くことができた。

 これから浪曲を聴く時には、曲師にもさらに注目していこうと思う、貴重な会だ。

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