Zsystemプロデュース「無邪鬼」
 2024年1月5日~8日
扇町ミュージアムキューブ CUBE01
昨年10月、扇町公園(大阪市)近くに扇町ミュージアムキューブがオープン。7つの多目的スペースと3つの劇場があり、そのうちのCUBE01でこの芝居を観劇した(1月7日)。開演前には、「ブルーライトヨコハマ」「時には母のない子のように」「風」など1960年代から70年代のメロディーが流れ、われわれ世代には懐かしい気分に。さらに、舞台上にはこれも懐かしい土管が積み上げられたセット。ノスタルジックな日本の風景のなかで、奇想天外のストーリーが展開される。〝普通の人々〟のやりとりの中、現れた猫のような姿の「無邪鬼」。そして、〝普通の人々〟も姿を変えていく…。これが映画なら「変身」はCGを駆使すれば簡単なのだが、ここで舞台ならではのアナログの魅力がふんだんに発揮される。「変身」や突然現れるモノなどを文字通りの黒子たちが操る趣向がかえって新鮮でもある。こうなっていくと、それが観客にとって〝当たり前の光景〟になってひきこまれていく。
出演者は、テレビ小説「ブギウギ」で楽団のギター奏者役で出演している国木田かっぱ、浪曲の春野恵子のほか、関西を拠点にして活動する俳優たち。ふだんは商業演劇、古典などに触れることが多いが、「小劇場」の活気を感じた。そうした立場から1点。横内謙介の脚本ということでなのか標準語?で展開するが、コテコテではない自然な関西弁での芝居でもいいし、そのほうがよけいにリアルななかでの〝幻想〟と受け止めることができるのではないだろうか。
〈あらすじ〉時は昭和。ドカンが積み上げられたなんの変哲もない空き地。ある日、その空き地から猫の鳴き声がうるさいと、近隣住民から役所に苦情が入る。訪れた職員がそこで目にしたものは、猫のような姿をした子どもの化け物『無邪鬼』であった。その化け物は言葉を喋り、なんと魔法まで使う。名は「ヨロズ」。しかし無邪鬼はある年齢になると大人になる儀式を受けなければならないという。さもなくば、悪魔になってしまうからだ・・・。
〈作〉横内謙介 (扉座)〈演出〉奈可川浩三 (Z system)
〈出演〉春野恵子、国木田かっぱ、殿村ゆたか(MELON ALL STARS)、八田浩司、福重友 (南河内万歳一座)、長橋遼也 (リリパットアーミーⅡ)、森下りお(Z system)、古場町茉美(Z system)、小花桃(Z system)、古見時夢
桂弥太郎、池治徹也(ステージタイガー)、辻谷敬亮、滑石眞琴、紗子、田丸千弘、兵頭加奈(エンタメ集団 新ら夜)、松本佳奈
〈和太鼓演奏〉橋本進(もなちゃ箱企画)、神樂フブキ(祭遊)

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