OSK日本歌劇団「REVUE in Kyoto」
       2023年11月11日~19日
        南座

2022年に創立100周年を迎え、今年4月に始まった連続朝のテレビ小説「ブギウギ」のモデルとなって注目を集めているOSK日本歌劇団。カーテンコールでトップスターの楊琳(やんりん)が客席に「『ブギウギ』を観て、初めてOSKを観に来られた人は?」」と問いかけると、あちらこちらから手を挙げる光景がみられた。
ベースは今春に大阪松竹座で上演した同名レビューだが、京都公演とあって光源氏(楊琳)、葵の上(舞美りら)、紫の上(千咲えみ)が登場する雅な世界、さらに五条大橋での義経(翼和希)の立ち回りをアレンジしたダンスなど和の世界を展開。一転して、洋の世界、「REVUE in Kyoto」へ。
「レビュー」とは大きなコンセプトのもと、ある意味では脈絡がない短いエピソードが歌とダンスで綴られるもの。作・演出・振付の上島雪夫は自ら舞台を踏んでいるだけに、そうしたツボをきっちりおさえている。ブエノスアイレスではタンゴ、マドリードではフラメンコ、さらにニューヨークでのストリートダンスなど、さまざまなタイプのダンスを見せて、「踊りのOSK」をアピール。さらに、チアガール風コスチュームの15人が満面の笑みをうかべて、ダイナミックに足を上げるラインダンスは、まさにウキウキワクワクする。
ただ、全編70分というのは、少し「凝縮」しすぎ。やはり、ここはもうちょっとたっぷりレビューの醍醐味を味わいたいとも思った。
極めつけは、カーテンコールでの全員がパラソルを駆使しての「桜咲く国」。ピンクのパラソルが登場すると客席から「ウォ~」という驚きがあがったのは新鮮。OSK初心者が来ている感触を持った。いまはこのスタイルだが、かつては、無数の花びらが舞うなかで「桜咲く国」を歌っていたそう。しかし、細かい花びらが顔についたり、吸ってしまったりするアクシデントがあって、パラソルの開け閉めに変更したそう。実はこれ、近刊「昭和ブギウギ」(著・輪島祐介)を読んでの豆知識。これもまた、「ブギウギ」の余波。いろいろな意味で「歌劇」が注目されるなか、「ブギウギ」効果をうまく使っての、さらなる知名度アップ、飛躍を期待したい。

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