映画「宇宙人のあいつ」
2022年5月19日から公開

言ってみれば、現代版、男性版の「かぐや姫」? 地球にやって来た宇宙人が、家族や友人と交流し、やがて〝つらい別れの時〟が来る。飯塚健のオリジナル脚本(監督も)とはいえ、そうしたストーリーラインをほうふつさせながら、独特の温かい空気につつまれる映画になっている。
なんといっても、キャスティングがいい。宇宙から来た次男・日出夫に扮する中村倫也をはじめ、長男・夢二の日村勇紀(バナナマン)、長女・想乃の伊藤沙痢、三男・詩文の柄本時生。誰をとっても、どんな作品でも「この人あり」という印象を残す人たちだ。突拍子もない話なのに、それがSFチックでもなく、怖くもなく、仲の良いホームドラマに仕上がっている。
物語はー。家族になりますまして23年、真田家の四兄妹の「次男・日出男」として暮らしていた宇宙人だったが、地球を離れる日まであと3日間。人間として“やり残したこと”への日出男は奮闘する。
毎朝、兄弟そろって納豆ご飯をかきこむ真田家の朝食のルーティーン。そこで「日出夫が宇宙人だった」ことが明かされる。それなりのショックはあるものの、兄弟たちはそれを受け入れて、日常生活を過ごす様子が、よく考えるとヘンなのだが、個性的な俳優たちの演技で、観る側はなんとなく納得してしまう。、地球人を1人連れ帰らないといけないという宇宙の決まり。「それなら俺が、私が」と名乗り出るのがドラマの定番なのだが、みんな尻込みしてくじ引きで決める、というのもなんとも人間的でわかる。
さて、誰が日出夫と一緒に旅立つのか?!?というのが楽しみでもあるが、残念ながら冒頭に「タネ明かし」があるのは、ちょっと残念だった。
(C) 映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
映画『宇宙人のあいつ』公式サイト|5月19日(金)公開 (happinet-phantom.com)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA