「早春夢舞台」
2023年2月26日  南座

京都五花街の合同公演「早春夢舞台」を南座で楽しんできた。主催は京都花街おもてなし文化振興協議会。今回の舞台は、京都の花街を「おもてなし文化~受け継がれゆく今日の花街~」として『日本遺産』 認定を目指す取り組みのひとつだ。すでに、候補地域としては上がっているものの、認定には至っていないのだ。

私からすれば、失礼ながら、他の日本遺産よりも京都の花街を真っ先に『日本遺産』に認定するべきだと考えている。というよりも、「えっ、まだやったんか?」というくらいの感覚だ。京都五花街が『日本遺産』に認定されれば、その経済効果はかなり大きいと予測される。そもそも、『日本遺産』は交通アクセスの不便なところに多い。ところが、京都五花街は交通アクセス抜群で、宿泊施設もいまだにどんどん増えている。こんなに集客力のある『日本遺産』は京都五花街の他にはない、というくらいのポテンシャルがある。

普段は5つの花街がそれぞれに「都をどり」「京おどり」など、それぞれの地域の演舞場で興行され、楽しませてくれる。それが今回の「早春夢舞台」は、五花街の演目を南座の一か所で、花街ごとに緞帳を上げ下げして行われた。これもまれにみる楽しみだった。そのため、たった1日、2回だけの興行だ。その2回の興行のために皆さん、かなりの稽古に取り組んでいることを、演者さんからお話しを伺った。花街の皆さんそれぞれが、京都五花街が『日本遺産』に認定される日を、大いに待ち望んでおられることが伝わってきた。

仕事柄、多くのお客様を全国各地のさまざまな飲食店にご案内する機会が多い。そのなかでも、京都の花街は他地域とは比べものにならないくらい、誰からも喜ばれる。そこにしかない雰囲気とおもてなしがあり、日本人にとってもあこがれの街だからだ。ふらっと入ったバーに、芸妓さんが客と二人、カウンターでお酒を楽しんでいる。そんな町は京都五花街以外にない。花街を散策しながら、町家が並ぶ雰囲気を味わうだけでも、十分に楽しめる。
京都五花街が『日本遺産』に認定されたら、まずは行きつけのお茶屋さんへ、お祝いに伺いたいものだ。

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