映画「アキラとあきら」
2022年8月26日からロードショー

今年の夏で一番いい映画「サバカン SABAKAN」(上映中)を見てしまったので、あとどんな作品が出てきても驚かないような気がする。そんな中で、今夏「今夜、世界からこの恋が消えても」「TANG タング」の2本を発表し相変わらずの活動的な三木孝浩監督(47)の3本目の新作「アキラとあきら」(東宝配給)が続けてやって来たので気になって見た。
何しろデビュー作「ソラニン」(宮﨑あおい主演)を経て「僕等がいた前編・後編」(吉高由里子主演)「陽だまりの彼女」(上野樹里主演)「ホットロード」(能年玲奈主演=現・のん)「アオハライド」(本田翼主演)と青春映画の傑作を連作している映画職人である。今回はドラマ「半沢直樹」「陸王」などの池井戸潤原作の映画化で、これまでの三木作品と違ったものになることが予想された。
銀行の支援を打ち切られて倒産する町工場社長(杉本哲太)の息子・山崎瑛(アキラ=竹内涼真)が大人になって銀行員になる。一方で大企業の御曹司ながら次期社長の椅子を拒絶し銀行員になった階堂彬(あきら=横浜流星)がいて、メガバンク同期入社の2人の闘いがスリリングに展開する。
若き銀行マンが厳しい社会の中で対決し、揉まれ、傷つき、乗り越えていく。上司の江口洋介、奥田瑛二ほかユースケ・サンタマリア、石丸幹二、高橋海人、上白石萌歌、児島一哉、満島真之介、塚地武雅、宇野祥平ら共演陣が2人に絡まって池井戸ワールドを繰り広げる。もちろん、土下座シーンも用意されている。脚本は池田奈津子。
今の時代をどう生き抜くか。竹内、横浜の熱演。これまでの三木青春映画の展開とつながった。多作の心労を心配したが老婆心であった。全国でロードショー公開中。
写真説明=竹内涼真(左)と横浜流星(C)2022「アキラとあきら」製作委員会

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