「ミニオンズ フィーバー」
2022年7月15日公開
TOHOシネマズ梅田ほか

1970年代を舞台に、11歳の少年グルーと黄色いミニオンズの冒険を描いたアニメーション。グルーとミニオンズの師弟関係を強調したシナリオで見応えがある。「怪盗グルー」シリーズ1作目から12年間グルー役の日本語吹き替えを務めているのが笑福亭鶴瓶だが、この12年の中でも出色の出来ばえだ。鶴瓶もたくさんの弟子をとって来たし、彼自身も6代目松鶴の弟子だった。弟子入り志願者が多いのは人気のバロメーターである一方で、どんな落語家も弟子を育てる時は、少なからず苦心する。若き日の鶴瓶はよくテレビで苦労話を吐露していた。本作も終始コミカルタッチだが、劇中にグルーがミニオンズを全員クビにしてしまう厳しいシーンがある。ミニオンズの失敗に堪忍袋の緒が切れて爆発するグルーの表情は、弟子と葛藤していた頃の鶴瓶を彷彿とさせ、アニメに二重のドラマが立ち上がった。日本語吹き替え版の成功例である。カイル・バルダ監督作品。
88分/アメリカ
C)2021 Universal Pictures and Illumination Entertainment. All Rights Reserved.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA