ドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」
2022年7月23日から第七芸術劇場で公開

大阪市西成区にある児童館「こどもの里」を舞台にしたドキュメンタリー映画「さとにきたらええやん」(2016年)の重江良樹監督(38)の第2弾「ゆめパのじかん」(ノンデライコ配給)が23日から大阪の第七芸術劇場で公開される。神奈川県にある子どものための遊び場「川崎市子ども夢パーク」を利用する人々を記録した作品で前作に続く「子どもの居場所それぞれを見てほしい」と重江監督は話す。
地元のビジュアルアーツ専門学校大阪を卒業後、映像ジャーナリストを志向。映画第1作「さとにきたらええやん」は、大阪・釜ヶ崎で生活する「こどもの里」の子どもとその親、関係者たちの5年間を追いかけた秀作。「映画を見た人たちから『こんな場所があるのを知らなかった』という反響が多くあり、『子どもの居場所』についてもう一度考えた」
そこで浮上したのが川崎市にある「川崎市子ども夢パーク」で、公設民営で運営されている先進的な施設である。「ここは1万平方㍍の広大な工場跡地にあり乳幼児から高校生まで幅広い子どもが利用しており、不登校を含めて多くの子どもとその親が集い『何をしてもいい。何もしなくてもいい。きみは、きみのままでいい』というフリースペース。毎週2回大阪から3年間通って撮影した」
プレーパークエリア、音楽スタジオ、創作スペース、ゴロゴロ過ごせる部屋、学校に行ってない子のための「フリースペースえん」などがある。「泥んこになって遊ぶ親子がいる。焚き火をしていいエリアや乳幼児・親子専用の部屋『ゆるり』も人気。当初3カ月はカメラを回さず、子どもや親、施設の人となじむことから始めた。やがて虫や動物好きな8歳のリクト、夢パの植物を観察する10歳のヒナタ、鳥と木工が好きな11歳のミドリ、宮大工になりたいという15歳のサワらの個性がそれぞれ見えてきて映画の中心になる」
国連の「子どもの権利条約」を生かした街づくりとして川崎市が03年に創設。「認定NPO法人フリースペースたまりば」の西野博之さんが初代所長で現在は総合アドバイザー。今は大人のOBも訪れて子どもたちと触れ合う機会も多いという。「子どもの居場所として大切な時間をここで過ごす。そんな子どもの『じかん』の大事さを多くの人に感じていただけたらうれしい」と重江監督は訴える。音楽とナレーションは歌手の児玉奈央が担当。
写真は重江良樹監督=第七芸術劇場

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