「日本演劇学会  全国大会 演劇と美術」

2022年6月4日、5日
多摩美術大学
演劇というジャンルを、「演じる側」でも「創る側」でもなく、「学術」としてとらえるという視点もある。全国のそうした研究者によって組織されている日本演劇学会の全国大会が開催され、参加した。
今回のテーマは「演劇と美術」。4日には、シンポジウム「NODA・MAPにおける美術のポジションー野田秀樹の作品を例として」を聴講。野田作品を数多く手がけている、堀尾幸男(舞台美術家)、ひびのこづえ(コスチューム・アーティスト)と嶋田直哉(明治大学)、コーディネーターの内田洋一(文化ジャーナリスト)、そして野田本人が出席。「キル」や「THE BEE」といった野田作品の一部を映像で見ながらのトーク。「キル」での布、「THE BEE」の紙といった素材を使った斬新な空間を再認識できた。さらに、「野田作品には、異文化との葛藤、融合が貫かれている」という指摘に、野田が「自分でも意識いていなかったことが、わかった」と述べるなど、貴重な証言を聞くことができた。
そして、5日にはパネルセッション「宝塚歌劇の素人性と市民演劇」にパネルストとして参加した。私を含めて3人が違った観点から、いまも残る?宝塚の素人性を分析するもので、私は「数多く存在した少女歌劇の中から、宝塚が存在し続ける要因」と「素人性から脱却のための男性加入の試み」を約20分話し、出席した約40人の研究者からの質問を受けた。いわゆる、カルチャーセンターなどの講演は何度か経験があるものの、こうしたアカデミックな集いで語るのは初めてで、いつも以上に緊張はしたものの、自分自身がいい勉強になり、刺激にもなった。
2022年度全国大会のお知らせ | 日本演劇学会 (jstr.org)

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