「義足のボクサー GENSAN PUNCH」
主演の尚玄に聞く
6月10日からテアトル梅田ほかで全国公開

沖縄出身の俳優、尚玄(43)が主演した映画「義足のボクサー GENSAN PUNCH」(日本/フィリピン合作。ブリランテ・メンドーサ監督)が6月10日からテアトル梅田ほかで全国公開される。映画「ハブと拳骨」(2007年)以来の主演作で「諦めない主人公に思いを重ねて演じた」という尚玄に話を聞いた。
大学卒業後、バックパックで世界を旅しパリでモデルとして活躍。04年に帰国しモデルをしながら「元々やりたかった俳優」に転身した。モデル業は渋川清彦と一緒に仕事をしたこともあった。デビューは戦後の沖縄を描いた映画「ハブと拳骨」で三線弾きの主人公を演じ注目される。「今回の企画は10年前に知り合った元ボクサーの土山直純さんの生き方に共鳴し8年前から映画化を考えていたもので、念願の作品。諦めずボクシングに挑んだ彼の思いをこの映画を見る人たちに伝えたかった」
義足のため日本でプロになれないといわれた男がフィリピンに渡りその資格を取るまでの苦闘を描く。監督はフィリピン出身でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した実力派。「製作がスタートするまで難航したが、メンドーサ監督が引き受けてくださってチームがまとまり、方向が決まった。日本側は母親役の南果歩さんだけで俳優とスタッフ全員フィリピンの人たちだが、とても家族的な撮影現場になった」
トレーナー役は同国の名バイプレイヤーといわれるロニー・ラザロ、その娘に国民的女優のビューティー・ゴンザレス。「監督が俳優に台本を見せないスタイルで戸惑いもあったが、お互いのコミュニケーションがうまくいって、いろいろ助けてもらった。撮影で驚いたのはプールに潜ってシャドーボクシングをするシーン。モハメド・アリがやっていた練習方法で、実際にやって苦しかった」と振り返る。
「撮影一年前からボクシングの特訓をしてボクサーの体型作りをした。僕自身のこれまで俳優人生を振り返りながら、それを主人公の思いに重ねた。それは家族や周囲の人たちとの絆や支えがあったことが根っこにある。メンドーサ監督の狙いを背中に感じながら演じられた。この作品が僕のターニングポイントになるような気がしている。モデルの直純さんはシャイな人だが、映画を見てとても喜んでくれた」
映画『義足のボクサー GENSAN PUNCH』オフィシャルサイト 2022年5/27より沖縄先行公開 (ayapro.ne.jp)

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