「SING/ネクストステージ」
いろいろな年齢層、家族で楽しめる…というコンセプトのアニメ映画ながら、これはショービジネスに関わっている人、関心のある人には、よけいに楽しめる作品。田舎の都市で「満員大入り」を続けているショーだが、プロデュサーである支配人(コアラ)は、もっと〝ビッグ〟になりたい!と思っていて、〝アポなし〟で仲間とショービネスネの本場へ乗り込んでいく話。その「本場」がニューヨークのブロードウェイではなく、ラスベガスをイメージしているのが大きなポイント。つまり、同じショービジネスでも「奥深い味わい」を楽しもうとするブロードウェイではなく、絢爛豪華で観て楽しいラスベガス的なエンタテインメントを目指していて、この映画自体がCGアニメを駆使して、その世界を映像化。それ自体が1つの「ショー」として楽しめることができる。ダンスをクラシックバレエ畑の厳しいコーチが指導、それが合わないと路上でブレイクダンスをしている子に習うというのも、いまの流れを反映してる。
しかも、動物キャラはそれぞれが見るからに〝キャラが立っていて、わかりやすい。1つ、ツッコミを入れるとしたら、大プロデューサー。どんなものがヒットするかを見る目がある設定なのが、途中から娘かわいさに彼女を主役にしようとする「親ばか」にキャラが変わったいること。ここは、徹底した敵役にしたほうが、いっそうドラマが鮮明になると思った。
映画『SING/シング:ネクストステージ』公式サイト (sing-movie.jp)
日刊スポーツ新聞社文化部記者を経て、1990年に独立。 新聞や雑誌などで執筆活動を続けている。主な著書には 『宝塚BOYS』 として舞台化もされた 『男たちの宝塚』 や 『宝塚 幻のラインダンス』 『少女歌劇の光~ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』(監修を担当)などがある。FM大阪 「おとなの文化村」 出演 (終了)、文化庁芸術祭 大衆芸能部門 (関西) 審査員を歴任。 日本映画ペンクラブ会員。 日本演劇学会会員。 なにわ名物開発研究会会員。シネマコミュニケーター講座 講師などをつとめている。