「シーナ&ロケッツ 鮎川誠~ロックと家族の絆」
2023年8月11日公開
ロックに詳しくないけれど、「シーナ&ロケッツ」の存在は知っている。シーナこと2015年2月14日に亡くなった後も、鮎川誠がバンドを続行し活躍。しかし、その鮎川も2023年1月29日にこの世を去ったことも。ときおり観る演奏の映像も、エネルギッシュでスタイリュシュ。凄い!と思いながら、正直いうと、私にはあまり「身近」な存在ではなかった。ところが、数年前に放送された「探偵!ナイトスクープ」を観たことで、とても親近感を持った。「亡くなった父が、鮎川さんにそっくりなので、家に来て欲しい」という視聴者からの依頼を鮎川は快諾。ふだんは着ない着物姿になるなど、亡くなったその男性になりきる姿に、温かい人柄が伝わってきて感激したのを覚えている。また、この映画の原点になったテレビのドキュメンタリー番組(制作・RKB毎日放送)も観て、いっそうその気持ちが強くなった。
この映画には、初期シーナ&ザ・ロケッツの演奏シーンから、ラストライブとなった「45周年ライブ」まで、多数のライブ映像もちろん演奏シーンがふんだんに登場。バンドのファン必見は言うまでもない。それではなく、むしろ「ある家族の記録」として見ごたえがあった。シーナとの出会い、死別した後も「音色を止めたくない」とバンドの続行を決した経緯などを語る鮎川は、〝あこがれのロックスター〟ではなく、自分や近くにもいる〝ある1人の男性〟の姿だ。3人の娘と孫をはじめ、ナレーションもつとめた松重豊に石橋凌、甲本ヒロト、友部正人らへのインタビューで、それが証言されていく。死を宣告され、家族に反対されながらもステージに立ち、ぎんぎんのロックを聴かせた姿は、観るのはつらいけれど、なんともカッコいい!
ナレーション・松重豊。監督・編集・寺井到。
製作・RKB毎日放送。製作幹事・TBSテレビ 配給・KADOKAWA
(C)RKB毎日放送/TBSテレビ

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