川上亮監督インタビュー

2023年7月7日からシネマート心斎橋で2週間限定ロードショー

大阪出身の川上亮監督(46)が手がけた九州の温泉宿でオールロケしたクライム・コメディ「札束と温泉」(渋谷プロダクション配給)が7日から大阪のシネマート心斎橋で2週間限定公開される。小説家&ゲームデザイナーの肩書きを持つ川上監督の2本目の劇場映画で「おしゃれな犯罪コメディ映画を作りたかった」と力が入っている。

大阪の高校から神戸大学経営学部に進み、22歳のとき小説「並列バイオ」でファンタジア長編小説大賞を受賞。「大学では映研に入って初期のクエンティン・タランティーノやガイ・リッチーなどのクライム・コメディが好きだった。卒業後、ライトノベルの小説、ゲームデザイナーの仕事をしながら映画のチャンスをうかがっていてゲーム『人狼ゲーム』の脚本と、原作・脚本を担当した映画版8本目『人狼ゲーム デススターの運営人』(2020年)で監督デビューという経緯をたどった」

アイドルの女の子による舞台劇がコロナ禍で流れそれように書いた脚本を映画にしたいと自らの会社で企画しスタートしたのが映画第第2作「札束と温泉」。別府の歴史的温泉宿がコロナ禍の折で「4割安」で借りられる話に乗って5日間貸し切りで撮った。「古くて歴史があり部屋数も多く、そこに集まった高校生、殺し屋、高校教師、やくざの愛人らが2千万円の金を巡って繰り広げるマーダーミステリー。長回しの全編ワンカットで撮ろうと思った」

高校生のリサ(沢口愛華)とひかる(小浜桃奈)が風呂に入ってのんびりし会話しているシーンから物語は始まる。カメラはもう一人の恵麻(糸瀬七葉)が脱衣所から部屋に戻るところから動き始め、美宇(大熊杏優)と教師(小越勇輝)の逢い引きの場面、やくざから2千万円を持ち逃げした愛人の女(星れいら)、彼女を追う女殺し屋(佐藤京)らがすれ違いながら連鎖して捉えられる。それはさながら人生ゲームの様相を呈する。

「吉本新喜劇のようなセリフ展開で、アクションも多いのでカメラの長回しを途中で中断。だが僕の感性は疑似ワンカットのままで映像はつながっていく。お客さんにどこで切ってつないでいるかを探してもらうのもいいかもしれない。女優さんとカメラマンらスタッフが頑張ってくれて、楽しい映画になったと思う」と自信の表情。「次はクエンティン・タランティーノ監督の犯罪映画のように渋みを利かせ深みのある映画を撮ってみたい」と付け加える。

川上監督は大阪府吹田市に実家があり、3年間アメリカに在住し、現在は6年間熊本県に住んでいる。

写真は「犯罪もののタランティーノ映画が好きです」と話す川上亮監督=シネマート心斎橋。

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