東龍造原作の「フェイドアウト」舞台化初上演

22日から西区新町のイサオビルシアターで3日間*

明治29(1896)年の夏、心斎橋の大阪商人、荒木和一が渡米し発明王エジソンから映写機ヴァイタスコープを個人購入し、同年暮れに日本で初めてスクリーン投影式映画上映を行った。東龍造の同名小説を舞台化した「フェイドアウト」(MTC制作)が2月22日から3日間、大阪市西区新町の文化スペース「イサオビルRegalo Gallery & Theater」で上演される。

同小説はエッセイストで映画に造詣が深い武部好伸さん(68)が東龍造のペンネームで執筆(幻戯書房刊)。映画のスクリーン初上映が大阪で行われたという事象と同時に、エジソンに直談判するため主人公がニューヨークに渡ったという豪快譚に読者は驚かされた。場所は難波の福岡鉄工所で、映写準備でてんやわんやの出来事などが描かれる。

翌年、京都の実業家・稲畑勝太郎が難波の南地演舞場でフランスのリュミエール兄弟から輸入したシネマトグラフで初めて映画興行を打ち、それに続き興行したのが新町演舞場で、今回の初舞台が新町つながりになっている。出演は橋口俊宏、西野内仁志、原田智子、古川智。脚本・演出は増田雄。22日は午後7時半、23日は午後2時・6時の2回、24日は午後3時・7時半の2回。前売り4000円、当日4500円。問い合わせは050・3699・3171、MTCプロジェクト。

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