紅壱子・南条好輝ふたり会
「夜の取調室」
2022年11月3日~5日
道頓堀ZAZAHOUSE
経済も文化も東京に「一極集中」するなか、関西を拠点に活動するのは、なかなか難しい。自分もそれを実感している1人だが、そんななかで「関西の役者」として活動を続けている紅壱子・南条好輝。それも2人あわせて100年というから凄い!「百周年記念」として上演されたのが、ライフワークにしている「夜の取調室」(原作・藤本義一)。1990年に初演されて、これまでに350回以上を上演してきた二人芝居。その間に、紅は肺を切除(今年7月)し、南条は70歳を迎えた。物語は、曽根崎警察署を舞台に、売春容疑の女性と刑事との掛け合い。どこまでがセリフでどこまでがアドリブかわからない、自然なやりとり。私が観劇した回では、熱演のあまり?湯呑みがひっくり返し、机が〝お茶びたし〟になるはハプニングもあったが、それも演出?と思えるほど、日常よくある景色。
最初はおかしさが前面に出ていて笑っていると、だんだんと2人の暮らしぶりや、〝被害者〟の現実がわかってきて、切なくなってくる…。残念ながら33年前は未見だが、もしかすると、いまの年齢で演じたからこそ、しみじみとした味わいも出たのではないか、とも思う。これがファイナルというのはなんとも惜しい。
もう1本は、本来は2人が演じていた人情喜劇「夫婦漫才師 平助風子の物語」(作・南条好輝)を、戸田都康、泉しずかの朗読で。この2人もまた、関西を拠点にした役者たちで、こちらも自然なやりとりに〝希望〟を感じた。
紅壱子・南条好輝ふたり会 「夜の取調室」(藤本義一原作 男女浮世回舞台より) | ライブ・エンターテイメント!道噸堀ZAZA (vitalartbox.com)

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