仏映画「キャメラを止めるな!」
7月15日から全国ロードショー
竹原芳子インタビュー

上田慎一郎監督の日本映画「カメラを止めるな!」(2018年)をフランスがリメークした「キャメラを止めるな!」(ギャガ配給。ミシェル・アザナヴィシウス監督)が15日から全国でロードショー公開される。日仏両作品に唯一出演した竹原芳子(旧芸名・どんぐり)は「生きていてよかった!」と満面の笑みを隠さない。
「カメラを止めるな!」は300万円の低予算で無名の監督と俳優が作った自主映画で31億円という特大の興行収入を上げた。このリメークを担当したのが「アーティスト」(11年)で米アカデミー賞作品賞・監督賞など5部門を受賞したフランスのアナザヴィシウス監督(54)で、日本版と同じプロデューサー役で竹原を起用。彼女は日仏両作品に出演した唯一の俳優になった。
短大卒後、金融機関の営業、裁判所勤務を経て、落語を習ったことがきっかけで芸事に目覚め、50歳を過ぎて吉本のNSC入り。間寛平座長の旗揚げ公演で「蛾の役で初芝居に挑戦。信長が『人生50年~』というのがあり、私はここから…と思った。『カメ止め』の俳優公募に応募し、オーデイションで上田監督に『人生、生きにくそう』という言葉をかけてもらって合格。映画初出演のチャンスをもらった」
映画は若者集団がゾンビ映画を作る撮影現場の話で日本版は、37分のワンカット撮影が話題になった。「フランス版も同じ話だが、いろいろ仕掛けが加えられている。私はプロデューサーの役で出番は少ないけど、いろいろ教えてもらって頑張った。撮影はフランスのパリ中心で、街はロックダウン中で遠くに行けなかったけど、普段と違う静かな街が見られてよかった」とほほ笑む。
主演は「真夜中のピアニスト」のロマン・デュリスと監督夫人で「アーティスト」のベレニス・ベジョ。「監督からはコロナ禍でもあり『元気でパリに来てください』と連絡があって単身パリに乗り込んだ。私の撮影は5日間で無事終わりほっとし、監督やスタッフに感謝しています。私だけセリフを大阪弁に直してしゃべり気持ちがよかった。人生、何が起こるか分からない。生きていてよかった。こうなれば人生100歳までと思います」とVサイン。
大阪府出身、62歳。映画・ドラマの「ルパンの娘」などに出演し芸域を広げている。初著書「還暦のシンデレラガール」出版。現在フリー。

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