「リコリス・ピザ」
2022年7月1日公開

タイトルはカリフォルニア州で展開していた実在のチェーン店から付けられたそう。てっきり「ピザ・チェーン」と思っていると、「レコード・ショップ」。
1970年代の西海岸を舞台に、商才のある青年といろいろなことに興味を抱く魅力的な女性との恋を、西海岸サウンドをバックにあえてドラマチックではなく、淡々とさわやかな描いた作品。ポール・トーマス・アンダーソン監督はアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされた。
当時の音楽だけでなく、バーブラ・ストライサンドやその夫?などの名前が飛び出し、映画館のチケット売り場前の「重要」なシーンでは、「007 死ぬのは奴らだ」(1973年)が上映されているという設定。僕の青春時代は、こんなに元気で、輝いてはいなかったが、どこか「昔」を思い出せてくれる。
主演の2人が、いわゆる「美男美女」ではないのが、またいい。ゲイリーはぽっちゃりした体型だが、憎めないキャラクター。アラナは、若い頃のメリル・ストリープに似たシャープなルックス。物語が進んでいくにつれて、さらに魅力的
みえてくる。
重要な鍵を握っているのが、当時はやり出した「ウォーターベッド」。いち早くこれに目を付けたゲイリーは大儲けする。ある時、仕事で横浜に泊まるとになり、仕事先の人が気をきかせて、ウォーターベッドの部屋をとってくれたことがある。最初は気持ちよかったが、そのフワフワした感じがこれまでにない経験、夜中にフロントに電話して、部屋を変えてもらったことがあった。そんな、「昔」も思い出させてれる、なんか懐かしい気がする作品だった。
ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『リコリス・ピザ』 (licorice-pizza.jp)

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