「ぐれいてすとな笑まん」
2022年5月14日~22日
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
2022年5月26日~29日
明治座
<大阪名物>吉本新喜劇とNMB48がミュージカルでコラボレーションしたチャレンジ精神あふれる公演。新喜劇メンバーは持ちギャグ、NMBメンバーはダンスを交えての持ち歌と、それぞれ〝見せ場〟をきっちりと披露するのだから、ファンには「おなか満腹」の3時間。
私はミュージカルというアングルで観たのだが、川畑泰史(新喜劇座長、脚本
を担当)をはじめ、歌もダンスもけっこうこなす人たちを集め、上演台本・振付・演出の玉野和紀の指導のもと、群舞シーンも見ごたえがある。なかでも、全員によって5分ほど繰り広げる終盤は、懸命に稽古に励んだ様子を想像して感激さえある。ただ、幕開きは新喜劇、NMBがそれぞれ単独の場面があるのだが、ここは終盤と同じような全員による群舞を披露すれば、絶好の〝つかみ〟になるのではないかとも思う。
〝アホウィルス〟という感染症が蔓延し、「笑顔禁止」になるというストーリー。星新一や筒井康隆らのような、社会風刺をこめたSFショートショート風のいまの時局にあった設定。多くが登場人物のセリフによる説明だが、そのなかで「笑顔を封印させられた」NMBのライブシーンには、なるほどこうなるのか…と説得力がある。これと同様に、新喜劇の劇中劇として観客を笑わせない(「すべった」ギャグ)を連発する光景などを登場させれば、「笑うことの大切さ」が、楽しみながら伝わってきたのではないかとも思う。エンタメへの新たなチャレンジとして、ぜひとも第2弾も上演してほしいものだ。
吉本新喜劇 × NMB48 ミュージカル「ぐれいてすと な 笑まん」 (yoshimoto.co.jp)
日刊スポーツ新聞社文化部記者を経て、1990年に独立。 新聞や雑誌などで執筆活動を続けている。主な著書には 『宝塚BOYS』 として舞台化もされた 『男たちの宝塚』 や 『宝塚 幻のラインダンス』 『少女歌劇の光~ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』(監修を担当)などがある。FM大阪 「おとなの文化村」 出演 (終了)、文化庁芸術祭 大衆芸能部門 (関西) 審査員を歴任。 日本映画ペンクラブ会員。 日本演劇学会会員。 なにわ名物開発研究会会員。シネマコミュニケーター講座 講師などをつとめている。