「夜来香ラプソディ」

         2022年4月7日、サンケイホールブリーゼ  10日まで

 服部良一、李香蘭。川島芳子といった実在の人物が登場。舞台は終戦間近の上海租界のナイトクラブという設定。実際にあった出来事を背景に、そこで懸命に生きた人々を描くドラマが好きなだけに、これは見逃せない!そして、やはり期待どおり(以上)だった。

 拙著を原案にした舞台「宝塚BOYS」、2018年に上演されたバージョンは、「夜来香ラプソディ」と同じ、製作会社がキューブ。その時に出演した山西惇をはじめ、歴代の「宝塚BOYS」出演者、山内圭司、上山竜治も出演。それに、開演前、休憩中は懐かしい歌(今回は服部メロディー)が流れるので、ワクワクしてきた。

 ナイトクラブが舞台ということで、歌と踊りが登場するのも自然。しかも、生バンドという、すみずみまで凝った演出で、その時代にいたような気分にさせてくれた。

知らなかったのだが、「「夜来香」は中国の作曲家によるもの。1979年、彼は日本のレコード会社に著作権について問い会わせる手紙を寄せてことから、服部や李香蘭(山口淑子)と日本で再会したという実話があったそう。これだけで、ドラマになる!そんな話にインスパイアされて、この舞台がつくられた。

 ただ、欲を言えば、登場人物がすべて「いい人」であること。善人だけで生き抜くことは困難な時代だっただろうと想像できる。租界とはいえ、西洋の雰囲気を感じさせる音楽。ショーを当時の日本軍が許したか?そのあたりが、もう少し描写していれば、さらにドラマに陰影ができただろう。いずれにしても、こうした骨太であり、エンタテインメント性にもあふれたこういった舞台は再演を重ねて欲しい。 

cube 25th presents 音楽劇「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」 | 【公式】株式会社キューブ オフィシャルサイト (cubeinc.co.jp)

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