OSK日本歌劇団「春のおどり」
2026年4月10日~19日  南座
7月18日、19日  新橋演舞場
「夏のおどり」として
OSK日本歌劇団の〈恒例行事〉「春のおどり」が始まって100年。節目の年は大阪の松竹座ではなく、京都の南座で上演。NHKテレビ常設「ブギウギ」以来、コアなファンを軸に知名度、人気も高まっていて、3階席まで埋まる盛況。まさに桜の季節の古都での、華やかな公演になった。

第1部「たまきはる 命の雫」
作・演出・北林佐和子。W.シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」より
「ロミオとジュリエット」といえば、原点であるストレートプレイをはじめ、「ウエストサイド・ストーリー」などのミュージカルやバレエなど、さまざまなジャンルで上演されてきた。今回は時空を古代ヤマトに移した和風レビュー。敵対する一族で生まれた男女の〝許されない恋〟というのは、世界中のあらゆるところで起こりえる出来事だけに、物語にすんなり入ることができて、共感を誘う。
舞台上は、暗闇から「チョン」と柝(き)が入ると一瞬にして明るくなる、「チョンパ」で開幕。総踊りのなか、だんだんとそれが敵対する2つの集団(キャピレット家とモンタギュー家)に分かれていく。つまり、「ロミオとジュリエット」における仮面パーティー、そこでのロミオ(翼和希)とジュリエット(千咲えみ)との運命的な出会い…という有名なシーンで、それを巧みに〝翻案〟している。さらに、2人が愛を確かめあるバルコニーの場面も、月見台という舞台美術によって、自然に移行していく。
これは致し方のないことだろうが、1時間で物語を綴るために、両家の激しい対立、それを乗り越えての愛という「陰影」がやや薄れたのは惜しい。また、なぜ、ジュリエットの手紙がロミオに届かなかったのか?若干のアレンジがあるが、やはりここは、「奪われた」のではなく、「ある出来事のために伝えなかった」というほうが意味深い。そんななか、ロミオと親友のマキューシオとの関係性などに新しい解釈もあり、甘く切ないラブストーリーになっている。長編としての再演を期待したい。
〈内容〉「ロミオとジュリエット」の世界を古代ヤマトの時代に映した、いにしえより続く“愛の物語”。

第2部「Silenphony(サイレンフォニー)」
作・演出・振付  平澤智
歌劇におけるレビューといえば、躍動感あふれるリズミカルな音楽、情感を盛り上げるバラードなど、音量豊かな音楽が欠かせない。このレビューはあえて、それを逆手にとって?「沈黙」から始まるのが斬新。モノトーンのセット、衣裳で靴音だけが響くタップダンスシーンは秀逸。そこからだんだんとボリュームアップしていき、ボリウッドダンスや初舞台生102期生5人らによるラインダンスへと移っていくのだが、もう少し「沈黙」シーンにチャレンジしてほしい気もした。
〈内容〉「Silence(静寂)」+「Symphony(交響曲)」。静寂の中から音が生まれ、ひとつの煌めきがやがて壮大な交響曲となるー。スタイリッシュで情熱的なレビュー。
〈出演〉翼和希・千咲えみ・華月奏・城月れい・登堂結斗・天輝レオ・壱弥ゆう・椿りょう・唯城ありす・羽那舞・京我りく・紫咲心那・琴海沙羅・蘭ちさと・水葉紗衣・依吹圭夏・有絢まこ・空良玲澄・舞音ことは・真織ひな・梅名希歩・華蓮いろは・ひより芽依・奏叶はる・妃乃愛・珠凜かのん・初音くらら・華妃ダリア・桃白透衣・花鹿愛・OSK日本歌劇団102期生(初舞台生)/桐生麻耶【特別専科】(2部のみ)・朝香櫻子【特別専科】(1部のみ)
制作・松竹、OSK日本歌劇団。製作・松竹

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