(L to R) Hugh Jackman as Mike Sardina and Kate Hudson as Claire Stengl in director Craig Brewer's SONG SUNG BLUE, a Focus Features release. Credit: Courtesy of Focus Features © 2025 All Rights Reserved.

「ソング・サング・ブルー」
2026年4月17日公開第

2026年3月16日に行われた第98回アカデミー賞授賞式。最優秀作品賞など各賞の行方にも注目したが、「追悼」コーナーも感動的だった。2025月9月16日に亡くなったロバート・レッドフォードを偲んで、映画「追憶」(1973年)で共演したバーブラ・ストライサンドが想いを込めて、同映画のテーマ曲を歌いあげたシーンは胸に迫った。
「ソング・サング・ブルー」に、その光景がダブってきた…。この映画は アメリカ・ミルウォーキーで実在したマイク・サルディーナと妻による、ニール・ダイアモンドのトリビュートバンド「ライトニング&サンダー」を基にした映画。歌まねミュージシャンとして陽の当たらない道を歩いてきた彼らが成功を収めるまでの軌跡、その栄光を一瞬で砕いた衝撃的な出来事、さらなるどん底からの再起などを描いた物語。その夫婦を、ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンという「歌えるスター」演じているのが、作品に説得力を持たせている。
ジャックマンといえば、「X―MEN」シリーズのウルヴァリンをまず思い出す人もいるだろうが、私にとっては「レ・ミゼラブル」であり「グレート・ショーマン」といった映画。さらに言うと、「ボーイズ・フロム・オズ」という舞台で、トニー賞の主演男優賞にも輝いたミュージカル俳優だ。一方、ケイト・ハドソンについて、クレイグ・ブリュワー監督は「テレビ番組でハドソンが出演するのを観ていたら、『役を待つのはもう終わり。歌を歌うわ』と言っていて、この役は彼女にぴったりだと思った」とインタビューで語っている。そうした期待通りの歌唱力、もちろん演技力を発揮している。
 冒頭に映し出されるのは、主人公・マイクの顔面アップ。よ~く見ると、右上の奥歯1本が抜けているのに驚く。こうして、〈スター歌手〉ではない、彼の今がさりげなく表現されている。〈スター歌手の歌まね歌手〉として活動するマイク。そのメンバーには、ジェームス・ブラウン、スティービー・ワンダーらのメイク・扮装をした人たちがいて、それを「当てる」のも楽しい。そんななかで、「金髪ならドリー・パートン(女性カントリー歌手)ができるのに」というクレアがいた。ニール・ダイアモンドを敬愛するマイクは、「スウィート・キャロライン」などのヒット曲を歌うのだが、ダイアモンドの風貌や歌い方に〈寄せすぎる〉のではなく、彼のスピリッツを伝えたいとも思っている。そのこだわりが、ときには周囲と衝突するなど、生きづらくもしていた。その一方で、結婚したクリア、3人の子供と生きていくために、ときには妥協もしながら歌手として生き続けていく。
 けっして大舞台ではないものの、華やかなステージで歌うマイクとクリアの晴れやかなステージ。そして、夫婦としてさまざまな障害、アクシデントと立ち向かっていく、生活人としてのリアルな姿。対照的な光景が交錯していく。
 欲を言えば…。浮き沈みが激しいマイクとクレアの人生。(ネタばれになるので書けないが)、困難の部分が、予想していたよりも私はちょっと〝あっさり味〟に思えた。
〈ストーリー〉アメリカのミルウォーキーで、歌まねミュージシャン‘’ライトニング‘’としてステージに立ち続けるマイク(ヒュー・ジ ャックマン)。かつて抱いたスターになる夢は叶わぬまま、車の整備工の副業がなければ暮らしも成り立たないが、今も音楽への情熱だけは誰にも負けない。 ある日、同じ歌まねミュージシャンのクレア(ケイト・ハドソン)と出会い、彼女の歌声に心を奪われ、ニール・ダイアモンドのトリビュートバンドを結成する。さまざまな困難のあるなか、だんだんと評判が広がっていくのだが、想像もしなかった悲劇が襲いかかる。
〈キャスト〉ヒュー・ジャックマン、ケイト・ハドソン、マイケル・インペリオリ、エラ・アンダーソン、 キング・プリンセス、ハドソン・ヘンズリー。
〈スタッフ〉監督・脚本・クレイグ・ブリュワー。原作ドキュメンタリー・ グレッグ・コース。製作・ジョン・デイヴィス, p.g.a.、ジョン・フォックス, p.g.a、クレイグ・ブリュワー, p.g.a。エグゼクティブプロデューサー・ エリカ・ハンプソン ・ グレッグ・コース。2025 年/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/133分。配給:ギャガ

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