「KILL 超覚醒」
2025年11月14日、大阪ステーションシティシネマほか全国で公開
仇討ちがキーワードになっているアクション映画。インドを実際に走っている特急列車内部を再現したセットで壮絶な殺陣が披露され、インド映画アカデミー賞で新人男優賞、悪役賞、撮影賞など5部門を受賞した。
物語は、大物実業家のタークルと娘のトゥリカが乗った特急列車が、強盗団に襲撃されたところで展開する。実はトゥリカの恋人アムリトは対テロ特殊部隊の隊員。相棒と別の車両から特急列車に乗り込んでトゥリカを助けようとするが・・・。
タイトルどおり、狭い車両の中で殺戮が繰り広げられるが、シチュエーションそのものは韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』のような密室型サバイバル・アクションスリラー。特徴的なのは、仇討ちのやり合いを話の回転軸にしていて、誰かが誰かを殺したことで怨念が生まれ、シナジーになって殺戮の連鎖が大きな渦になっていくという点である。同じ殺陣ものでも、アメリカ製作の『ジョン・ウィック』はどこかクールな殺陣だったのに比べると、インド製作の『KILL超覚醒』は怨念渦巻く熱い殺陣なのである。インドでは、武装した集団をダコイトと呼ぶ。本作中のダコイトは親類縁者で構成されていて、一族の固い絆で結ばれている。インド映画には悪役を掘り下げるところがあり、本作でも強盗一族自体に〝顔〟があるので、余計に報復合戦が怨念系の殺陣になる。
身内を殺されたら逆上して敵を殺し、敵がそれに逆上して反撃し・・・人間というものは報復の連鎖を断ち切ることが出来ないのだろうか。本作のサイドラインにはそんな根源的な問いも見え隠れしている。監督はニキル・ナゲシュ・バート。製作は『めぐり逢わせのお弁当』『エレファント・ウィスパラー : 聖なる象との絆』など世界的に評価の高いグニート・モンガ。アクション監督は『スノーピアサー』『アベンジャーズ/エイジ ・オブ・ウルトロン』のオ・セヨン。
(2024/105分/R15+/インド)
配給:松竹
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