「ブゴニア」
2026年2月13日公開
 『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス監督の最新作は、2003年の韓国映画『地球を守れ!』のリメイク作品。前作『憐れみの3章』でも、作家性の強いランティモス・ワールドを表現したジェシー・プレモンスとエマ・ストーンの共演で、今の時代を風刺する風変わりな悲劇を誕生させた。
 ドラマは、大企業の若きカリスマCEOミシェルが、二人組の男に誘拐されるところから滑り出す。目的は何なのか。気丈なCEOは、地下室で監禁されつつも、二人組
に働きかけて懐柔しようとするが・・・。
 二人の誘拐犯・テディ(ジェシー・プレモンス)とドン(エイダン・デルビス)が、世間から置き去りにされたように、ひっそりと、しかし怒りながら暮らしている、というシチュエーションそのものがよく出来ている。ブラック・ユーモアの
部分は、テディ役のジェシー・プレモンスが淡々と表現していくのだが、彼の膨れ上がった怒りは針の一突きで爆発しそうだ。一直線に進みそうな話に見せておいて、事件の裏にテディとミシェルの過去を絡め、およそ三段階くらいの落とし穴を作って見る者を驚かせる。奇妙にねじれたヨルゴス・ランティモス監督独特の映画的文法で、芸術映画と娯楽映画の中間に座を占めるような1本である。
(アイルランド・イギリス・カナダ・韓国・アメリカ/2025年/1時間58分)
© 2025 FOCUS FEATURES LLC.
ストーリー
ミシェル・フラー(エマ・ストーン)が経営する製薬会社の末端作業員で、養蜂家でもあるテディ(ジェシー・プレモンス)と従兄弟のドンは、ミツバチの絶滅危機や自分の家族の不幸は、宇宙人の陰謀だと考えていた。そしてある日テディ達はついに、〝アンドロメダ星人〟を誘拐し、地下室に閉じ込める。地球から手を引け・・・テディの要求はシンプルなものだったが、二人組の地下室に拉致されたのは、ミシェル・フラーだった。

製作: ヨルゴス・ランティモス、エマ・ストーン、アリ・アスター、ミッキー・リージェリー・ギョンボム・コー、アンドリュー・ロウ、ラース・クヌードセン、エド・ギニー
脚本 ウィル・トレイシー『ザ・メニュー』
オリジナル脚本 チャン・ジュナン

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