「はだしのゲンはまだ怒っている」
2025年11月22日から、第七藝術劇場、元町映画館。21日から京都シネマで公開
『はだしのゲン』は小学校で読んだという人も多い筈。原爆によって被爆し、家族を亡くした少年が、偏見と闘いながら生きる姿を描いた漫画『はだしのゲン』は、作者自身がモデルになっている。本作は被爆者でもある作者の軌跡を追い、『はだしのゲン』をめぐって、戦争体験者や様々な世代のファンや識者、被爆者の証言などを通して、あの伝説的な漫画の本質を探っている。
「はだしのゲン」の連載が「週刊少年ジャンプ」で始まったのは 1973 年。以後、25 ヶ国で翻訳出版され、2024 年には漫画のアカデミー賞とも呼ばれるアメリカの「アイズナー賞」を受賞した。昨今は『はだしのゲン』が広島の平和教材から消えるなど政治的な論争の的になっているものの、この漫画の中にあったのは、作者本人が〝母親の弔い合戦〟と呼ぶほどの情熱で、シナリオはそこへ全体を収斂させている。
一般的に、アシスタントを雇わずに漫画を描くのは、大変な作業だとされている。作者の中沢啓治は「はだしのゲン」を描く時、アシスタントを雇わず、妻の中沢ミサヨさんに作画を手伝ってもらっていたという。劇中ではミサヨさんが、今は亡き中沢啓治の横顔を語っている。作者が「はだしのゲン」を描く上で何に苦心したかということや、ミサヨさんの感性があの漫画に入っていたことは、知らなかった。
ドキュメンタリーを撮る上で〝中立である前に誠実であれ〟という言葉があるというが、今もウクライナや中東で悲劇が続き、核の脅威が去らない中で観ていると、本作が本当に誠実なドキュメンタリーに見えて来た。監督は「春想い 〜初めての出稼ぎ〜」「われら百姓家族」など数々のドキュメンタリー番組を手がけ、今回が映画初監督となる込山正徳。BS12スペシャルとして放送され、第 15 回衛星放送協会オリジナル番組アワード番組部門〈ドキュメンタリー〉最優秀賞などを受賞した番組「『はだしのゲン』の熱伝導 原爆漫画を伝える人々」の映画化となる。
(2025年/90分/日本)
配給:アギィ
(C)BS12 トゥエルビ
企画・監督・編集:込山正徳 プロデューサー:高橋良美 木村利香
共同プロデューサー:大島新 前田亜紀 音楽:茂野雅道
制作:東京サウンド・プロダクション 制作協力:ネツゲン
宣伝協力:リガード 配給:アギィ 製作:BS12 トゥエルビ
広島県知事推奨 文部科学省選定