「THEオリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」
2025年9月26日公開
2021年にオダギリジョーが、監督・脚本・編集を務めたテレビドラマの劇場版。今回もオダギリジョーが監督・脚本・編集し、オリバー役で出演し、テレビ版のメンバーに加えて、8年ぶり映画出演の深津絵里が好印象を残している。
物語は、狭間県警鑑識課の警察犬係・一平(池松壮亮)と、警察犬のオリバーを軸に展開する。一平の目には、オリバーが犬の着ぐるみを着たおじさんに見えているのだが、他の人間には犬に見えているという設定で、1人と1匹は、ある日行方不明事件の捜索に協力することになる。
本作はオダギリジョーありきの作品で、犬の着ぐるみを着たオダギリジョーは、首輪を付けられたままであるにもかかわらず、女性を見ればしなだれかかり、人間の命令をわざと無視し、自由奔放に行動しようとする。一平よりもよほど人間くさいオリバーは、おそらくオダギリジョーがこれまでに演じた中でも、最も難しい役だと言える。
一定の制限の中での自由が、これほど楽しそうなのに対して、劇中にフリーランス記者役で登場する溝口健一(永瀬正敏)は、完全な自由を手にした者であるかのように登場するが、その自由は本物では無い。これは自由というものの根本を突くジレンマだが、この作品のテーマは「自由」なのだろうか・・・というと、そうでは無い。
書いたオダギリジョー自身、『エルネスト』で日系ボリビア人の革命家に扮したり、『FOUJITA』で藤田嗣治を演じたり、『ゆれる』『たみおのしあわせ』など、出演作を挙げるときりがないカメレオン俳優だが、やっていなかった役が1つあって、それがこのオリバーだったのだろう。奇想天外なオリジナル脚本は個性的で、評価が分かれるかもしれないが、筆者は池松壮亮、永瀬正敏ら共演俳優達との「共犯」的な連帯を感じさせる愛すべき一作だと思った。
(2025年/98分/日本)
配給 エイベックス・フィルムレーベルス゛
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