「ジャン・レノ らくだ」」
2026年 5月8日~24日 東京 東京芸術劇場 シアターウエスト
5月30日~31日 富山 オーバード・ホール中ホール
6月4日 兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
6月7日 静岡 三島市民文化会館 大ホール
6月16日 宮城 宮城電力ホール
6月20日 石川 北國新聞赤羽ホール
6月27日 高知 高知市文化プラザかるぽーと四国銀行ホール
7月4日 福岡 大野城まどかぴあ 大ホール
7月6日~8日 山口 山口情報芸術センター スタジオA
7月11日~12日 京都 京都劇場
7月14日~15日 愛知 東海市芸術劇場大ホール
7月18日~19日 岡山 岡山芸術創造劇場 ハレノワ中劇場
※7月11日の京都劇場公演を観劇
「グラン・ブルー」(1988年)や「ニキータ」(1990年)、「レオン」(1994年)などの映画でシャープで精悍、クールな人物を演じたジャン・レノ。68歳になって円熟、渋みが増した彼が自分の半生を一人芝居で表現するとあっては見逃せない。6月4日に東京で開幕した公演は日本各地を巡り、約1カ月が経った京都劇場でようやく観劇することができた。タイトルは「らくだ」。といっても、〝落語〟を演じるわけではなく(笑)、モロッコ私生活や仕事で世界中を巡ってきた自分をイメージする動物に表したもの。
舞台の上手(むかって右)、下手(左)には映写機やフィルム缶、ディレクターチェアが置かれ、バックには切り絵を想像するようなモノクロで背景や人物が描かれ動き…。まるで、全編1時間40分の映画、それもモノクロ、セピア調の〈ドラマ〉を観ているような気分にもなっていく。
前半は、引きこもりがちだった少年が演じることに魅せられていき、チャンスをものにしようする心情をひとり語り、また歌で表現していく。個人的にだんだんと惹きつけられていったのは、リュック・ベンソン監督と出会い、「グラン・ブルー」の主役に抜擢させるあたりから。(ネタばれなるが…)。映画のモデルとなったダイバーのジャック・マイヨールから潜水用のコンタクトレンジを借りたレノが、海面にあがると両目から無くなっていた! それを聞いたベンソン監督が潜って、それを見つけた?!というウソのようなエピソード。また、メキシコに実在したプロレスラー兼牧師を演じた「グラン・マスクの男」(1988)撮影中の話もおもしろい。
だんだんと存在が知られるようになっていくが、「ニキータ」が終わった後、「アンドロマック」という地味なスレートプレイの舞台のオーディションを受け、役を得たという話には、「スターではなく、俳優になりたかったのだ」といい話に思えた。
正直言って、アメリカ版「GODZILA」(1998年)やドラえもんと共演した日本のテレビCMなど、ネームバリューを優先した仕事もあって、最近はあまりしなかった。しかし、語り口に味わいがあり、「昔話」ではなく、「ひとり芝居」として成立していた。舞台もいいが、やはりスクリーンでもジャン・レノが観たい!
〈出演〉ジャン・レノ。ピアノ・パブロ・ランティ
〈プロフィール〉モロッコ・カサブランカにてスペイン人の両親のもとに生まれ、フランスで育つ。舞台俳優としてキャリアを開始し、その後、映画監督リュック・ベッソンとの長年にわたる協働により国際的な知名度を確立した。代表作には『レオン』『ニキータ』『グラン・ブルー』などがある。フランス映画とハリウッド双方で活躍し、『WASABI』『ミッション:インポッシブル』『RONIN』『GODZILLA ゴジラ』『ピンク・パンサー』ほか、多彩なジャンルの作品に出演。深みのある声と力強い存在感、抑制の効いた感情表現により、世界的に最も認知され、信頼を集める俳優の一人として確固たる地位を築いている。近年は小説『Emma(エマ)』を発表し、同作は16言語に翻訳され、日本語版も刊行された。あわせて、国際的な社会貢献活動にも積極的に取り組んでおり、日本では非営利団体「ノーベル・サスティナブル子供親善大使」と「ユナイテッド・ワールド・スクールズ」をサポートしている。
〈スタッフ〉作・ジャン・レノ。演出・ラディスラス・ショラー。美術・石原敬。衣裳・ナイジェル・カーティス。照明・北澤真。音響・藤本純子。映像・CUTBACK。映像コーディネート・松澤延拓。音楽コーディネート・ベルトラン・ランブロ。演出助手・下平慶祐。字幕翻訳・通訳・加藤リツ子。通訳・字幕操作・高城テシュネみお。舞台監督・大刀佑介。制作・藤野和美。宣伝美術・永瀬 祐一(BAT DESIGN)。写真・Nathalie Delépine。宣伝動画・フィルムミッション/ヌーベルグループ。宣伝・DIPPS PLANET。特別協賛・株式会社獺祭。協賛・金子コード株式会社。協力・ヤマハ(株)電子楽器事業部。後援・在日フランス大使館 /アンスティチュ・フランセ。企画制作・TS3 / RIVAJ GROUP・SMTSCD Production・東京芸術劇場
日刊スポーツ新聞社文化部記者を経て、1990年に独立。 新聞や雑誌などで執筆活動を続けている。主な著書には 『宝塚BOYS』 として舞台化もされた 『男たちの宝塚』 や 『宝塚 幻のラインダンス』 『少女歌劇の光~ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』(監修を担当)などがある。FM大阪 「おとなの文化村」 出演 (終了)、文化庁芸術祭 大衆芸能部門 (関西) 審査員を歴任。 日本映画ペンクラブ会員。 日本演劇学会会員。 なにわ名物開発研究会会員。シネマコミュニケーター講座 講師などをつとめている。