「ミニオンズ&モンスターズ」
2026年8月7日、TOHOシネマズ梅田ほか全国公開
黄色い団体があっち向いたり、こっち向いたり。高い声でなんか喋っている。ずっと見ていると、不思議なことに、言っていることがわかるし、動きも見えてきて、ニヤニヤさせられる。
そんなこんなで、初登場から16年。すっかりミニオンズファンになってしまった私は、全シリーズ制覇。しかも、今作は、映画ファン垂涎のストーリーなのです!
ユニバーサル映画おなじみのオープニング、地球儀のデザインは、現代から次第に時をさかのぼり、やがてモノクロのロゴに。もうここからワクワクさせられる。
ハリウッドにやってきたミニオンたちは映画の起源の説明を聞いていました。まずはリュミエール兄弟の「列車の到着」、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」、映画の父D・W・グリフィスの「イントレランス」からチャーリー・チャップリン。そのどのシーンにも必ずミニオンズの姿が!
「カサブランカ」のピアノのシークエンス、「雨に唄えば」の色彩や照明、西部劇のアクションや、「地球の静止する日」「禁断の惑星」「ザ・フライ」「スペースインベーダー」「地球最後の日」「ゴジラ」など往年のSF作品やモンスター映画にイメージされた場面の数々。これら映画史のオンパレードにオマージュが込められていて、どの場面にもお楽しみ満載なのです。
痛快ドタバタ劇を繰り広げるミニオンたちのせいで、撮影中の作品がむちゃくちゃになるかと思ったら、出来上がった映像を見た上役たちは黄色い乱入軍団を大絶賛。サイレント映画への出演が決まり、あっという間にスターダムにのし上がります。
そうなんです! ミニオンズのあの動き、表現力はサイレント映画にピッタリ。今回は、彼らにハロルド・ロイドやバスター・キートン、チャップリンらの動きを取り入れ、台詞のない映像がまるでミニオンズのために作られたよう。
ただ、残念なことに、トーキー映画の出現でミニオンズは窮地へ。彼らは脚本も読めないし、同じセリフを何度も言えない。もちろん、カンペの指示に従うこともできません。
しかし、ミニオンのジェームズだけは映画の魅力に取りつかれ、ボス探しの旅の途中で意気投合したヘンリーや穏やかな性格のエドに助けられて、モンスター映画作りに専念するのでした……。
ミニオンズの物語に映画の歴史を組み込んだピエール・コフィン監督のアイデアは、シリーズに新鮮さを生み、映画愛に満ちて素晴らしい。おそらく、ものすごく楽しみながら製作していたことでしょう。
さらに、モンスター映画大好きの監督の本領発揮。ジェームズが描く映像の構図や背景のディテールに小ネタが散りばめられているので、それを見つけるのも一興です。
〈ストーリー〉原始時代から最強最悪のボスを求めるミニオンズが、映画の都ハリウッドにやってきた。映画スタジオに入り込んだ彼らは、自分たちでモンスター映画を作ることに。呪文によって本物のモンスターを召喚しようとすると、現れたのは小さな緑色のモンスター・グーミー。ところが、このグーミーがとんでもないヤツだった。グーミーのせいでヤバヤバのモンスターが街に放たれ大パニック。
〈ボイスキャスト〉
〈声の出演〉ピエール・コフィン(ミニオンの声)、クリストフ・ヴァルツ、ジェフ・ブリッジス、アリソン・ジャネイ、トレイ・パーカーほか。
〈日本語版声優キャスト〉 松平健、千葉雄大、鈴木愛理、山寺宏一、エース&寺家(バッテリィズ)、LiSA、銀河万丈、寺依沙織、小野友樹、芹澤優 ほか
〈スタッフ〉脚本・:ブライアン・リンチ、ピエール・コフィン。監督・ピエール・コフィン。製作・クリス・メレダンドリ、ビル・ライアン。製作総指揮・ブライアン・リンチ
(C)Universal Studios. All Rights Reserved.
配給・東宝東和。
森川みどり(シネマコミュニケーター・タレント)
ABCラジオ「兵動大樹の ほわ〜っとエエ感じ。」TV「おは土」朝日新聞での映画紹介やインタビュー、舞台挨拶のMCなど関西を中心に活動中。Podcast 「好きなことしか喋らへん」YouTube「シネマへようこそ」【著書】「シネマなお仕事」
