OSK日本歌劇団「ミュージカル 幸村を討て」
2026年8月27日~30日
午前10時、午後2時。27日のみ午後1時、午後5時
ナレッジシアター
戦国武将として知られる真田幸村。1614年、15年に起きた大坂夏の陣でおいて徳川家康を追いつめ、本陣まで攻め込んだ活躍はドラマチックで、さまざまな舞台、映像で描かれている。OSK日本歌劇団において、彼を題材にミュージカル化した「真田幸村~夢・燃ゆる」(2007年、主演・桜花昇ぼる)を皮切りにいくつかの脚本・演出で上演されてきた。
今回は、直木賞作家・今村翔吾の小説「幸村を討て」を原作に、OSKの数々の舞台を戯曲・演出してきた北林佐和子が担当。そして、トップスターの翼和希が幸村と徳川家康の二役を演じるという意欲作。公演に先駆けて6月29日には、3人が出席して作品に賭ける思いを話した。(敬称略)
翼が主題歌「幸村を討て」を初めて歌いあげて会見がスタートした。今村が、この小説への思いを話す。「僕が小説家になろうと思ったのは、池上正太郎先生なんです。小学校5年の時に池上先生の『真田太平記』を読んだのをきっかけに歴史好きになり、小説家にまでなるに至ったというわけです。作家になった後、自分の心の師匠である池波先生に挑みたいというか、同じ題材で小説を書きたいと思うようになり、そういう意味で思いがかなり強い作品。ただ同じように書いていけないということで、大阪夏の陣で幸村を取り巻く人間模様をミステリー仕立てにすることで、今までにない真田家、大坂の陣の物語になるのではないかと思いました。全くプロットを書かない作家なので、主な登場人物 7人の名前だけをメモ書きに書いて、そこから何も考えず、いきなり書きました。そうしたら、メッチャいいのが書けました」(笑い)。
それを舞台化、しかも歌劇独特のミュージカル化を手掛けた北林は…。「読ませていただいて、これは本当にOSKの作品になるのだろうかと、難しい作品でした。小説をそのまま舞台にすると、いったい誰が主役かわからないような状況になってしまうのです。というのも、この小説の魅力は〝多視点〟で、いろんな方々の視点で、幸村を眺めているという構造になっていて、そこがものすごくミステリーで知的エンターテイメントになっているのです。そこで、翼が幸村と徳川家康の二役を演じるようにして、いろいろな角度からき幸村を眺めるという構図にしました。それに、『見立て』という独特の演出法をとろうと思っています。例えば。家康が探偵役として、家臣の大阪の陣を再現していくという演出方をとることで、今村先生の世界観を崩すことなく歌劇作品にしていけるのではないかなと思います」とプランを話した。
これを受けて、「下級生からあこがれていた二役を初めて演じます」と声を弾ませる翼。第1幕では家康、第2幕では幸村に扮する構成。「OSKと真田幸村は切っても切れないご縁ですが、これまで私は幸村に関わる作品には 1度も関わっていなくて、いままで O S Kが上演した時には観劇する側でした。原作を読んで、幸村は真田家に対してとても思い入れのあり、みんなのために後に残していかまいといけない強い思いを感じました。それが自分自身に重ねるところがあって、私にとって幸村が真田家を大事にしたように、私もOSKのことを大事にしたいと強く思っているので。幸村に対して共感を持ちました。一方。家康は謎解きをする張本人ということで、相対する2人。最初は家康が「陰」、幸村が「陽」という印象を持っていたのですが、小説や台本を読み進むなかで、家康の中にもかなりの熱いもの「青い炎」を持っているようで、一方、いままで猪突猛進というような「燃えるような赤」の印象が強い幸村も、頭脳戦を駆使する魅力的な人。それぞれのなかに「陰」の部分だったり、「陽」の部分だったりというものを、掘り下げていきたいと思っています」。
大阪の陣=8月公演に向けて、さあ出陣!!
〈あらすじ〉その一撃 偽りか真実か。戦国最後の戦い一大坂の陣。血で血を洗う乱世がようやく終焉へと向かうその時、歴史を揺るがす 「謎」が生まれた。まさに天下を掌中に収めんとしていた徳川家康。その野望の前に立ちはだかったのは、無名の武将、真田幸村。 幸村は徳川本陣へ突撃し、家康めがけて槍を放つ。 しかし槍は外れ、幸村は爽快な笑みを浮かべて去った。なぜ討たなかった。大坂城落城の後も家康は、 その謎に囚われ、生き残った者たちの記憶をあぶり出す。伊達政宗、 織田有楽斎、そして幸村の実兄、 真田信之。家をつなぐため徳川へ恭順した兄と、 真田の名を遺すために戦にいのちをさし出した弟。 光と影、表裏一体の兄弟が、 未来に向かって仕掛けた壮大な筋書きとは…。
〈キャスト〉翼和希、天輝レオ、椿りょう、京我りく、純果こころ、依吹圭夏、空良玲澄、舞音ことは。 華蓮いろは、他。
鼓珀響・ 陽向だいち他。
〈原作〉今村翔吾『幸村を討て』(中央公論新社刊)。
〈スタッフ〉脚本・演出:北林佐和子。
〈料金〉9000円(全席指定席)、子供無料券、無料同伴者半額券4500円
《特別企画》 朗読劇》
作品世界を拡張するスピンオフ企画として、次のような朗読劇3編(それぞれ15分+トーク15分の約30分)を8月上旬に配信する予定。
「真田兄弟編」「織田有楽齊編」「徳阿波家康編」
いずれも脚本・演出・竹葉みなみ