「ミッション・インポッシブル ファイナル・レコニング」
2025年5月23日公開
「ミッション・インポッシブル」というタイトル、ラロ・シフリンが作曲したあのメロディー。これらに遭遇すると、いまでは瞬間的に、トム・クルーズ主演の映画シリーズが目に浮かぶ人がほとんどだろう。いまの私もそうだが、少し前まではテレビシリーズ「スパイ大作戦」(1966年~1973年放送。原題・ミッション・インポッシブル)がまず頭に浮かんだものだ。「このテープは自動的に消滅する」という音声による極秘ミッション(指令)。そして、チームが作戦を練って架空のグループや国家を〝偽装〟するストーリー。そして、他人になりすますために着けていた〝精密なマスク〟を脱ぐシーンも痛快だった。1996年に映画された第1作は、タイトル、主題曲、ミッション伝達方法もそのままで、まさに食い入るように観てものだ。
これはそんなシリーズの第8作、すっかり、トム・クルーズ主演の巨大なスケールのスパイアクションに。主人公のイーサン・ハントは、「007」シリーズのジェームズ・ボンドに匹敵する大作スパイ映画シリーズに〝様がわり〟。公開されるごとに、トム・クルーズのスタントなしの体当たりアクションが大きな注目を集めている。
私もそんな1人で、公開初日(5月23日)にさっそく観た。前作の「ミッション:インポッシブル デッドレコニング」(2023年公開)の後編という位置づけで、世界滅亡の危機を救う鍵を手に入れた前作ラストから、ストーリーが続いていく。もちろん、〝予習〟をしておくのがベストだが、大丈夫、そうではなくてもついていける。確かに、最新テクノロジーやメカニックに関する専門用語が数多く登場してちょっと複雑ではある。しかし、「本線」はあくまでも、地球壊滅を図る悪人をやっつけて、地球を守るというシンプルなもの。その過程で、「海」に「空」にとヒーローがまさしく駆け巡る。CG技術が発展しているなか、そうした決死的な映像を作りだすことはできるかもしれない。しかし、高所で恐怖の表情、強風のために髪や頬が変形するなど、リアルでこそ撮られる映像があり、それがひしひしと伝わってくるのだ。表示される数字が減っていくカウントダウンも珍しくはないが、そういった緊迫の映像が交錯ことで、文字通りハラハラドキドキする。
2時間40分強のドラマが終わり延々と流れるエンドロール。最後に「BE CONTINUE」(次回に続く)と出るかな?と期待していたが、これはなし。さて、イーサン・ハントよ、どこへ行く?!
〈ストーリー〉AIプログラム「エンティティ」を巡る戦い(前作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング」)から2か月後。IMFエージェントのイーサン・ハントは、因縁の敵・ガブリエルがエンティティを再び入手するのを阻止するべく任務に向かうこととなる
〈キャスト〉トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレスほか
〈スタッフ〉監督・脚本・クリストファー・マッカリー
配給・東和ピクチャーズ©2025 PARAMOUNT PICTURES、2025年製作/169分/G/アメリカ
