「マリリン・モンロー 私の愛しかた」
2025年5月30日、
ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開

もし、マリリン・モンローが健在なら、今年6月1日に99歳になるという。私もそうだが、リアルタイムにモンローの出演作を観たことがない人でも、世代を超えて「アイコン」としての彼女のさまざまな写真、エピソードを知る人は多いだろう。また、母親と別れ、さまざまな家庭で育った少女時代、多彩な恋の遍歴、スター女優に昇りつめたことによる栄光と挫折など、ドラマを地でいくような〝劇的人生〟は、いろいろな切り口でのドキュメンタリー映画が製作され、公開されている。この映画もその1つ。
イアン・エアーズ監督は4歳の時に、テレビで観たジョン・F・ケネディの誕生パーティで「ハッピーバースデー」を歌うマリリンの姿に魅了され、彼女の人生に大きな興味を持ったという。それから約12年の歳月をかけて徹底したリサーチや取材を行った映画。正直を言って、ケネディ兄弟やジョー・ディマジオ、アーサー・ミラーとのエピソードなどは、これまでによく紹介されているが、そのほかに彼女や映画好きには情報が豊富につまっている。
例えば彼女について話すスターたち。「お熱いのがお好き」で共演したトニー・カーティス、ジェリー・ルイス、それに、「紳士は金髪がお好き」でバックダンサーをつとめたジョージ・チャキリスのほか、ジェリー・ルイスと交友があったとは。さらに、チャーリー・チャップリンとも交流があったという興味深い事実も紹介されている。そんな一方で、裏社会と繋がりのある当時の映画界の黒幕、プロデューサーとの関係も、隠すことなく描かれている。
さらに、終盤ではこれまでとは違う彼女の最期についての解釈も。信じるか信じないかは、観る側しだい…だが、〈きれいごと〉だけないで、ノーマ・ジーン(マリリンの実名)を冷静にとらえている。
〈出演〉マリリン・モンロー、トニー・カーティス、ジェリー・ルイス、ジョージ・チャキリス、ジェーン・ラッセル・ジョー・ディマジオ
〈スタッフ〉監督:イアン・エアーズ、プロデューサー:エリック・エレナ
2022/フランス/英語・フランス語/ワイド/120分/ステレオ/映倫:G
原題:DREAM GIRL THE MAKING OF MARILYN MONROE
2023-FRENCH CONNECTION FILMS
字幕翻訳:星加久実/字幕監修:田村千穂

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