「事実無根」
2025年2月14日、京都シネマで公開
 京都府下京区に実在する店、「そのうちcafe SNC」を舞台に、京都でロケーション撮影された映画。2024年12月に大阪で特別上映され、9日間で600人を動員した作品を、〝地元〟京都で上映。東映京都撮影所で助監督をつとめている柳裕章が長編映画監督デビューをはたし、製作スタッフの多くも京都や関西にゆかりのある人がそろった、そして、現在は京都で暮らしている近藤芳正をはじめ大阪出身の東茉凜、関西の新劇界で活躍した西園寺章雄(京都公開を前に、2025年1月14日死去)、さらに村田雄浩らが人情ドラマを繰り広げている。
 東映京都撮影所、東映太秦映画村がある京福電鉄嵐山線の太秦広隆寺駅付近が映し出されてスタート。小さなかカフェでのマスター、そこにアルバイトとしてやってきた若い女性、常連客の老夫婦、近所の子供などののどかな様子が描かれる。そこに近くの公園から、ずっと若い女性を見つめる〝怪しい男〟がいたことから、ドラマが展開する。
 「セクハラ」「DV」(家庭内暴力)というシリアスなテーマが背景にあるのだが、それらはストレートに描かずに、夫婦や父娘との「破局」の要因として登場。しかも「セクハラ」は事実無根という解釈で、確かにドラマの登場人物サイドの視点で見ると、そうかもしれないが…。劇中、「セクハラ」を訴えた女性に詰問するシーンがあるか、これはこれでやや一方的?と思えなくもない。映画タイトルにするのなら、ここはすっきりと証明するようなエピソードが欲しかった。とはいえ、後半は複数の元夫婦、現夫婦による悲哀とユーモアをまじえて展開に。肩肘を張ることなく、ゆったりと楽しめる作品になっている。
〈キャスト〉近藤芳正、村田雄浩、東茉凜、他。
〈スタッフ〉【原案・監督】:柳裕章 【脚本】:松下隆一
2023年/日本/99分/G (C)一粒万倍プロダクショ
LIN GMBH and ZENTROPA

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