「ブラックバード、ブラックベリー、私は私。」
2025年1月10日 京都シネマ、1/17日 第七藝術劇場、
2月 元町映画館で公開
 ジョージアの小さな村を舞台に、自由とは何かを問いかけてくる人間ドラマだ。
主人公・エテロは48歳。長年、家族の世話をしていたが、その家族も死んでしまった。天涯孤独になったエテロは、日用品店を経営しながら独身生活を楽しんでいたが、ある時、人生がひっくり返ってしまうような目に遭う。
 ぽっちゃり体型で、太くて濃い眉毛の主人公・エテロが登場した途端、映像全体にこれまでにないおおらかなムードが広がっていく。エレネ・ナヴァリアニ監督は、あえてハリウッド映画型の女性像を主役に据えないことで、女性の人生をリアルに描き、彼女に起こり得る様々な問題を、繊細に伝えていく。
エテロを演じているエカ・チャヴレイシュヴィリは、これまでに本国で多くの舞台と、映画に出演して来たベテラン俳優。父と兄の価値観に縛られながら生きて来た主人公の人間性を、抑制された台詞で表現していて見ものだ。
原作は世界的に高い評価を受けるジョージアの作家、タムタ・メラシュヴィリによるベスト・セラー小説。フェミニストでもあるメラシュヴィリが描く本作は、エテロの恋人を通して、女性だけでなく男性も又、家父長主義に抑圧されているのではないか?というほろ苦い問いを投げかける。第73回カンヌ国際映画祭正式出品、サラエボ映画祭2023作品賞・最優秀主演女優賞、スイス映画賞2024作品賞・脚本賞、大阪アジアン映画祭2024上映作品。
(2023年/ジョージア、スイス/110分)
配給:パンドラ
© -2023-ALVA FILM PRODUCTION SARL-TAKES FILM LL
 
 
 

 

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