「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
 2024年 11月15日
 (東和ピクチャーズ 試写会にて)
 「エイリアン」「ブレードランナー」「グラディエーター」と、エンタテインメント作品の王道を突っ走った映画監督の集大成である。監督のリドリー・スコットは今年の11月30日で87歳。コロッセウムで闘うグラディエーターのイメージは、アメリカで苦労した外国人でもある彼の、ある種の憧憬なのだろうか。自らのヒット作「グラディエーター」の続編を制作して健在ぶりを示した。
 舞台となっているのは古代ローマ。帝国軍の侵攻で妻を失い、捕虜となったルシアスが、奴隷としてローマへ。奴隷はグラディエーター(剣闘士)となって闘って、勝てば自由を得られると告げられ、過酷な闘いに身を投じる。
 2000年に公開された前作「グラディエーター」は、アカデミー賞で12部門にノミネートされ5部門を受賞。ラッセル・クロウに主演男優賞をもたらした。今回は、前作の登場人物の後日譚も含めた展開で見ごたえは十分。日常の不満をコロッセウム見物で晴らすしかないローマ市民と、堕落した元老院の関係性を描いた部分は、現代社会をも彷彿とさせてスリリングだ。退廃的なムードの中にひとり、主演のポール・メスカルが、主人公の人間性を表現していて深く印象に残った。アクション・シーンは凄まじく、15歳未満は観覧禁止のR15+指定。
(2024年/148分/アメリカ)
配給 東和ピクチャーズ
© 2024 PARAMAOUNT PICTURES.

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