「レッド・ワン」
2024年11月8日公開
(ワーナー・ブラザース映画 試写会にて)
「ワイルド・スピード」シリーズのドウェイン・ジョンソンと、「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エヴァンス。そして、「セッション」のJ・K・シモンズの3人が繰り広げる、ハチャメチャで楽しいクリスマス・ムービー。
クリスマスになると、全世界の子供たちにプレゼントを届けなければならないサンタクロース。彼はクリスマス以外の364日、子供達のために様々な業務をこなしている。百貨店にアルバイトに行き子供達と一緒に記念撮影をしたり、子供達の“欲しい物リスト”を作ったり。ところがある日、サンタが誘拐されて・・・、という設定である。
サンタ救出に向かうのは、サンタの護衛隊長・カラム(ドウェイン・ジョンソン)。カラムは屈強だが融通のきかないタイプの男。成り行きで相棒になる賞金稼ぎのジャック(クリス・エヴァンス)は、軟派なリアリストでサンタの存在なんか信じていない。キャラクター設定に2人の俳優がハマり、無理が無いのでテンポ良く楽しめ、つい大人が引き込まれてしまう洒落たアクション映画に仕上っていた。特筆すべきはVFXの素晴らしさで、クリスマスの妖精やモンスター、天を駆ける巨大トナカイ、擬人化された白熊などのクリーチャーが、難なく映像に溶かし込まれている。
人間ドラマのパートでは、ジャックと生意気盛りの息子の関係性が描かれたシーンを繊細に描いて、クリスマスの物語は親子の絆を深めるのだ、という監督の想いが伝わってくる。
ただ、「セッション」で厳しい音楽教師役を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズの物凄い演技力が、特撮多めの作品中に埋没して見えにくくなってしまったのは惜しかった。監督のジェイク・カスダンは、「スター・ウォーズ」シリーズの脚本でも知られるローレンス・カスダン監督の子供で、監督作品に「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」等がある。
(2024年/アメリカ/123分)
配給 ワーナー・ブラザース映画
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