「ビートルジュース ビートルジュース」
2024年9月27日 全国公開
ワーナーからこの映画の試写会に招待されて、この映画を観た。
お化け屋敷やテーマパークで賑やかにハロウィーンイベントが行われるように、いまではすっかり「怖い!」が「楽しい!」「おもしろい!」エンターテインメントになっている。そんな発想の転換の大きな1つの要因になったのは、映画「ビートルジュース」。前作が製作されたのは、1988年、製作時のティム・バートン監督は30歳だった。当時は「ホラー」というとおどろおどろしい…というものがほとんどだったところに、ビートルジュースをはじめとするポップでダークな〝人々〟が織りなすこのドラマはとても斬新だった。いまでも、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)での「モンスター・ライブ・ロックンロール・ショー」のDJとしても知られていて、前作を観ていない若者にもおなじみのキャラクターだ。
これはその続編。バートン監督をはじめ、主要なキャラクター、俳優も前作同様というもので。「あの人はいま」という感覚でも観られる。例えば、ウィノナ・ライダーが演じたリディア。当時16歳で清純な役が多かったウィノナ・ライダーが特異なキャラクターに挑戦して、彼女の〝芸域〟が広がる効果を生んだ。そのリディアが、いまでは1人の娘がいる母親。特技?を活かしてテレビ番組などで死後の世界などを話しているという設定。また、リディアの母・デリアに扮するキャサリン・オハラも継投。「ホームアローン」「アダムス・ファミリー」などでキャリアを磨いて、今回もまた大マジメにメリハリの効いた演技、アクションを披露している。
こういったメンバーに新たに加わったメンバーもユニーク。リディアの娘・アストリッドを演じるジェナ・オルテガ。バート ン監督は「ウェンズデー」に続いて再び彼女を起用。奇妙な世界観のなかでもしっかり自己主張している。個人的なお気に入りはモニカ・ベルッチが演じるビートルジュースの元妻・ドロレス。バラバラにされた身体をホッチキスで全身を繋ぎ合わせていく登場シーン。正視できない!?はずなのだが、これこそバートン・ワールド。彼がつくった人形アニメ「フランケン・ウィニー」「コーブスブライド」、さらに「シザー・ハンズ」に繋がる美意識さえ感じる。ウィレム・デフォーも存在そのものが怪しい。
そして、変わっていないのが、マイケル・キートンが扮するビートルジュース。
死後の世界に生きる推定600歳。奇抜なメイクの効果もあるが、軽快な動きで全く年齢を感じさせない。しかも、前作でもそうなのだが…、冒頭から少なくても30分以上は登場せずに、他のキャラクターが彼のウワサをする。じらせておいて、さっそうと主人公が登場!というヒーローものの定番を踏襲しているのもおもしろい。
というように、ポップでダーク、楽しいテイストにしながら、バートン監督ならではこだわり、映画愛が散りばめられている。永遠不滅のヒーローだけに、いつの日か?「ビートルジュース ビートルジュース ビートルジュース」も観られるかもしれない。
〈ストーリー〉死後の世界で “人間怖がらせ屋” を営んでいる推定年齢600歳のお騒がせ者・ビートルジュー ス(マイケル・キートン)は、かつて結婚を迫るも叶わなかったリディア(ウィノナ・ライダー)のことが今も忘れられないでいる。彼の願いはただひとつ、「人間と結婚」し、死後の世界から 人間界へ移り住むことなのだ。一方、リディアは自身の霊能力を活かしTV番組「ゴーストハウス」の司会としてお茶の間の人気を博しているものの、私生活では一人娘・アストリッド(ジェナ・オルテガ)との母娘関係に頭を悩ませている。なぜならアストリッドは幽霊の存在をまったく信じておらず、母親の霊能力をインチキだとさえ思っているからだ。
そんななか、死後の世界 で事件が起きる。何世紀にもわたり、死後の世界の倉庫に身体をバラバラに封じ込められていたビートルジュースの元妻・ドロレス(モニカ・ベルッチ)が復活してしまう。ドロレスはビートルジュースに復讐したい因縁があるらしく執拗に探し回るが、一年で最も不気味な夜が訪れるハ ロウィンの日に急展開が。なんとアストリッドが死後の世界に囚われてしまい、なんとか娘を助け出したいリディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めることに。 ビートルジュースへの復讐に燃えるドロレス、今度こそリディアとの結婚を成就させたいビート ルジュース、死後の世界に囚われた一人娘を助け出したいリディア、はたしてハロウィンの夜に 訪れる結末とは…。
〈キャスト〉 マイケル・キートン(ビートルジュース)、 ウィノナ・ライダー(リディア)、 キャサリン・オハラ(デリア)、 ジャスティン・セロー(ローリー) 、) モニカ・ベルッチ (ドロレス)、 アーサー・コンティ(ジェレミー)、ジェナ・オルテガ(アストリッド)、 ウィレム・デフォー(ウルフ)。
〈スタッフ〉ティム・バートン(監督/製作)、マーク・トベロフ(製作)、デデ・ガードナー(製作)ジェレミー・クライナー(製作)、トミー・ハーパー(製作)、アルフレッド・ガフ&マイルズ・ミラー(脚本/原案/製作総指揮)、セス・グレアム=スミス(原案)、 ハリス・ザンバーラウコス, BSC,GSC(撮影) 、マーク・スクルートン(美術)、 ジェイ・プリチドニー,
0. CCE(編集) ダニー・エルフマン(音楽) 、コリーン・アトウッド(衣装)
2024年 アメリカ映画/配給:ワーナー・ブラザース映画
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