「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」
      2024年6月28日公開

 ふたごの少女を主人公にした物語。といえば、まず「ふたりのロッテ」を思い浮かべる。児童文学作家のエーリッヒ・ケストナーが1949年に発表した小説で、これを基に何度も映画化され、舞台でも劇団四季が繰り返し上演していて、いまでもよく知られた物語。このなかで、双子の〝特性〟をいかして、2人が入れ替わって周りの人々を混乱させたり、事態を収拾させたりする。実際に、私の娘の幼稚園時代、同級生に双子がいて、ときどき入れ替わるイタズラをしている、ほほえましいエピソードを聞いたこともある。 この映画、「ふたごのユーとミー」でも、1人分で食事をしたり、映画館に入ったりするシーンが登場し、いけないことながら、にっこりしてしまい。
 それに、これはある程度の年代でしかわからないことなのだが(笑)…。2人を見分ける方法がホクロというのは、偶然にも日本歌謡界で一世を風靡、映画「モスラ」の妖精たちでも知られるザ・ピーナッツと一緒。こちらはホクロがあるのが姉の伊藤エミ、ないのが妹の伊藤ユミ。ブラウン管(当時のテレビ受像機)に映るアップに、「これは姉?妹?」と当てっこをしたのも懐かしい。
  さて、本題。こうして他人はソックリぶりを微笑ましく見がちだが、当たり前のことながら、1人1人にはアイデンティーティがある。ユーとミーに場合、親のよると「気が強いユー」に対して「真面目なミー」と性格が違う。「いつも一緒で楽しい」と感じていた2人にも、思春期を迎えて、だんだんと自我に目覚めてくる。その大きなきっかけになったのが、同級生の男子・マークの存在。ギターに似たタイの伝統楽器・ピンを介してマークと仲良くなるユー。しかし、マークが最初に惹かれていたのはユーだった。こうして、当時の若者ながらの、「三角関係」が繰り広げられていく。とはいっても、3人(演じてるのは2人)とも、映画初出演という初々しさで、ドロドロではなくさわやかでピュアな三角関係なのがいい。
 さらに、両親の離婚という現実問題にも直面する2人。若者たちの心情を細やかに描いているだけに、「大人の事情」ももうすこし描いて欲しい気はした。
〈ストーリー〉1999年のタイ。中学生のユー(ティティヤー・ジラポーンシン)とミー(2役)は一卵性双生児の姉妹で、生まれた時からずっと、どんなことでも一緒。2人に違いがあるとすれば、ミーの頬に小さなほくろがあることくらい。そんな2人の前に、ハーフで色白で笑うと八重歯がのぞく素敵な同級生・マーク(アンソニー・ブイサレート)が現れる…。
ワンウェーウ & ウェーウワン・ホンウィワット姉妹 第一回監督作品
バンジョン・ピサンタナクーン プロデュース作品
[ เธอกับฉันกับฉัน | 2023年 | タイ映画 | タイ語 | 122分
デザイン : HYPHEN 日本版予告編制作 :  LAUGH GRAPHICS 字幕翻訳 : 宮崎香奈子  字幕監修 : 高杉美和
配給協力: FLICKK 関西地区宣伝 : Ngrowing 東海地区宣伝 : リバブック 北海道地区宣伝協力 : palmyra moon
配給・宣伝 : リアリーライクフィルムズ 後援 : タイ王国大使館・タイ国政府観光庁 
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