日韓合作映画「オクス駅お化け」(松竹ODS事業室配給)
2023年10月6日から大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマほかでロードショー
日本で「リング」などのホラーで知られる脚本家(監督でもある)の高橋洋と「貞子VS伽耶子」の白石晃士監督が参加。そこに韓流ホラー「アパートメント」などの脚本家イ・ソヨンと同「人形霊」のベテラン、チョン・ヨンギ監督が加わって作られた日韓合作の都市伝説ハイブリッドホラー。原作は韓国で2011年に発表された同名ウェブミステリーで、ソウルに実在する地下鉄のオクス駅を舞台にしている。
主人公はウェブニュースの女性記者ナヨン(キム・ボラ)で、オクス駅で起きた人身事故の取材に出かけるところから怖いドラマが始まる。事件の現場には被害者のほか、「線路の上に子どもの姿があった」という情報があり、ある目撃者は数字を連呼するのだった。ナヨンはウェブのアクセス数を稼ごうと、ボーイフレンドのウウォン(キム・ジェヒョン)を助手にしてその現場に臨むことにする。
オクス駅は田舎で人数は少なく、夜ともなればホームは無人化する。黒のコートを来た長髪の女性が一人、酔ったようにホームを歩き、電車がやって来るのが分からず、線路に落ちていく。また、酔った別の男性が転んで電車のドアに首を挟まれる。オクス駅にはお化けがいるという都市伝説があるが、次々にホームで起きる事件はおぞましい。そして地下鉄駅にこだまする子どもの声は、いったい誰なのか。ナヨンは目撃者が連呼する数字に謎が隠されていると推測する。
後半、おぞましい都市伝説の過去が現実のようにオクス駅に近づく人たちを恐怖のどん底に落とし込んでいくが、「リング」のような井戸も現れて、貞子に似た子どもが登場するシーンには身震いさせられる。全編は韓流ホラーの展開でダークに進み、たたみ掛けるように怖いシーンが連続し、途中で井戸のシーンのように背中に冷水を浴びせるような瞬間が用意されている。これこそ日韓合作ホラー映画ということだろう。
現在のオクス駅周辺は開発され昔と違って賑やかになっているそうで、マンションの値段は10倍くらいに上がっているという。韓国旅行の時に寄ってみてはどうだろう。映画はシリーズ化も考え中という。ヒットドラマ「SKY キャッスル」でブレイクしたヒロインのキム・ボラが可愛い。
写真は「オクス駅お化け」の一場面(C)2023, MYSTERY PICTURES & ZOA FILMS, ALL RIGHTS RESERVED