「屋根の上のバイオリン弾き物語」

2023年3月31日ヒューマントラストシネマ有楽町&アップリンク吉祥寺
4月22日~シネ・ヌーヴォ
近日公開 京都みなみ会館、元町映画館

ミュージカルが好きになったきっかけは「屋根の上のバイオリン弾き」だった。学生時代から映画が好きで、話題作といえば洋画・邦画を問わず観ていて、その1本がノーマン・ジュイソンが監督したこの映画(1971年)だった。ジュイソン監督は「夜の捜査線」(1967年)で注目していたし、主演のテヴィエを演じたトポルは、この映画と相前後して日本で公開された「フォロー・ミー」(1972年)がお気に入り映画。ということもあって観たのだが、それまでにも数々のミュージカル映画を観てきたが、「明るくて絢爛豪華」といったイメージとは違うメッセージ性があり、それでいてユーモアがあり、さらに万国共通の親子愛が伝わってきて感激した。さらに、決定的になったのは、森繁久彌が主演した舞台。東京では1967年に初演され、それを梅田コマ劇場で観た。映画よりも和風テイストの味わいが濃く、それが私にはよけいに胸に響き、終演後にさっそくチケットを購入。満員のため、いまではない補助席(バスに設置されているような簡易な席)で千秋楽の何度も繰り広げられるカーテンコールを涙ながらに拍手したのをいまでも覚えている。それ以来、私にとって、「大好きなミュージカル」になり、森繁、上条恒彦、西田敏行、市村正親バージョンはもちろん、トポルの来日公演も楽しんだ。
そんな作品をテーマにしたドキュメンタリー映画。「ユダヤ人になりたかった」というノーマン・ジュイソンが映画化に挑んだ心境や撮影の苦労を本人(取材当時・91歳)や音楽を担当したジョン・ウィリアムズらスタッフ、そして映画でテヴィエの娘たちを演じた俳優が語っている。(三女と結婚するロシア青年を演じたレイモンド・ラブロックが2017年に死去したためか?インタビューに登場しなかったのは残念)オープニングの楽曲は映画版のオリジナルで、世界的バイオリニスト、アイザック・スターンが演奏していること。テヴィエ役にダニー・ケイやフランク・シナトラが候補にあがったが、「一般的には無名」のトポルを起用したこと、シャガールの絵にインスパイアされたこと、帝政ロシアのウクライナ地方アナテフカ村としてユーゴスラビアの小さな町でロケしたことなど知らなかったエピソードが満載。
随所に映画のシーンが登場。なかでも、結婚式で娘たちの成長を歌う「サンライズ・サンセット」がいまの私には心に沁みる。
http://www.pan-dora.co.jp/yanenoue/
2022 年/米国/カラー/英語/88 分/ドキュメンタリー 英題:Fiddler’s’ Journey to the Big Screen © 2022 Adama Films, LLC 日本版字幕:額賀深雪 宣伝デザイン:潟見 陽 提供・配給:パンドラ

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