映画「生きててごめんなさい」穂志もえかインタビュー
2月3日からシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマで公開
映画「新聞記者」などの藤井道人監督がプロデューサーで山口健人監督(32)がメガホンを取った「生きててごめんなさい」(渋谷プロダクション配給)が2月3日からなんばパークスシネマ、シネ・リーブル梅田で公開される。「共依存の恋の行方を描いた作品で、難しかったけど、ヒロインに共感して演じました」という穂志もえか(27)に話を聞いた。
藤井、山口のコンビは綾野剛が主演したテレビドラマ「アバランチ」を共に演出した実績があるが、藤井監督が小松菜奈・坂口健太郎のラブストーリー「余命10年」を発表し、今度は山口監督も続いて恋愛映画「生きててごめんなさい」にチャレンジ。ミュージカル舞台「刀剣乱舞」で話題になった黒羽麻璃央(29)と、映画「少女邂逅」「街の上で」などの穂志が都会の片隅で生きる恋人同士を切なく演じている。
穂志は千葉県出身で上智大学文学部4年のとき講談社のミスiD2016でグランプリに選ばれ女優デビュー。「高校のとき憧れたことがある芸能エンタメの仕事がやりたいと思った。『少女邂逅』で枝優花監督に芝居を教わって女優業の面白さを知った。今回はオーデションで応募したが、ヒロインの清川莉奈の生き方に共感してやりたいと思った。精神的に問題があって周囲の人をハラハラさせるメンヘラの女の子で、園田修一(黒羽)に出会い、彼に依存しながら少しずつ成長していく物語です」
修一は出版社で働き、小説家を目指す青年。「彼も仕事がうまくいかず、小説執筆も遅れがちで、莉奈に頼るところがあり、共依存で生活しているが、どこか危なっかしい。お互い自分と向き合うしかないのに、それができずにぶつかりあってしまう。莉奈は彼にもっと優しくしなければ思うが、監督は『莉奈は変わらなくていい』と。『修一が情けなくなるように』と」
タイトルはネガティブなイメージがあるが、山口監督は「見終わったら少しポジティブになってもらえると思う」と話している。穂志は「ラストシーンの撮影の時、2人はどうなるのかドキドキしながら演じていた。見る方にそんな気持ちが伝わればいいなと思います」と笑顔がはじける。松井玲奈、安井順平、冨手麻紗らが共演。
穂志は今泉力哉監督作品の出演が多いが、若手の工藤梨穗、森井勇佑、岨手由貴子、深田晃司などの監督を挙げて「機会があれば一緒に仕事がしたい」という。アメリカのテレビシリーズ「将軍」に出演した。「夢は謙虚に生きること。役者としてブラッシュアップしていきたい」
写真は「共感しながら勢いで演じました」と話す穂志もえか=シネ・リーブル梅田