ジュディ・ガーランド 生誕100年!
ジュディ・ガーランドが2022年、生誕100年とのことで、記念CDが10枚、キャピトルから発売された。
ジュディは映画「オズの魔法使い」でドロシー役を演じてスターとなり、数多くの映画、ショービジネスで輝かしい活躍をした。「イースター・パレード」「スタア誕生」など、私にとっても大好きな作品がたくさんある。が、私生活では厳しい生涯を強いられた、不遇のスターでもあった。それだけに、アメリカでは今も多くのファンから愛される“永遠の歌姫”といった存在だ。2020年に日本公開された彼女の伝記映画「ジュディ 虹の彼方に」を見て、彼女の生涯に触れた人も多いと思う。
彼女のレコードやCDは、本国アメリカでは彼女の存在感の強さもあってか、かなりの数、発売されている。私もいろいろ持っているが、日本での発売版というのは、案外少ない。
それがこの度、日本のキャピトルから、初CD化を含め、生誕100年記念で10枚のCDが発売され、そのうち9枚が日本初CD化。私も持っていないものを中心に、5枚買って聞き入った。
なかでも、1962年ニューヨーク公演の様子を記録したCD「ライブ!」が素晴らしい。今まで聞いたことのない音源だからというのもあるが、その当日、彼女は喉頭炎を患っていて、13曲中、10曲しか歌えず中断して終えた、という伝説のライブだから。そのため、収録音源は長らく封印されてきた。アメリカ国内でさえ、発売されたのは1989年だった。
「ウエストサイド物語」「マイ・フェア・レディ」の曲も披露するなど、初めて聞くジュディの歌を堪能できる。小柄でありながら、全身全霊で張りと伸びを炸裂させる歌声が、彼女の魅力。その素養は娘のライザ・ミネリにも受け継がれている。ジュディの素晴らしい歌声を聞きながら、彼女の数々の映画作品に思いを馳せたいと思う。