咲くやこの花賞受賞記念
「真山隼人 浪曲の世界」
2022年11月25日午後7時開演
近鉄アート館
大阪市が選定する賞に「咲くやこの花賞」がある。1983年から始まった40歳以下の「美術」「音楽」「演劇・舞踊」「大衆芸能」「文芸・その他」の5つのジャンルのアーティストを対象にした賞で、令和3年度の大衆芸能の同賞を受賞したのが、浪曲の真山隼人。そして、その受賞記念として「真山隼人 浪曲の世界」公演が行われる。
それに先駆けて11月4日に、真山と曲師(浪曲のおける三味線奏者)の沢村さくらが出席しての会見が行われた。
2010年、二代目真山一郎に入門した真山、全編オーケストラ音源の伴奏による真山一門独特の「演歌浪曲」で修業を積んだ後、2016年からは曲師による三味線の生演奏での浪曲に転じ、2018年には文化庁芸術祭新人賞を受賞するなど着実に力をつけてきた。
しかし、昨年秋に突然、原因不明の急性硬膜外血種で緊急入院。意識回復から目覚めた時に、まだ意識が朦朧としたなかで受けたのがこの朗報。「生きていやよかった!と思いました」としみじみと語った。
今回の演目は、浪曲の歴史、魅力などを節を交えて語る「浪曲アラカルト」、そして、「勧進帳」では、歌舞伎で有名な弁慶、富樫との息詰まる対峙を再現するという。これまでに350以上の浪曲を語ったきたが、「古典と共に、松竹新喜劇の『高津の富』や平岩弓枝さん、中島敦さんの作品も手掛けたい」と意欲も語った。
浪曲というと、年配のファンが多く、演者の高齢化も現実。曲師の沢村は「関西で活動している曲師は4人で、それで充分こなせているのが問題。地道にいい公演を続けることで、後進が入ってくれれば」とも話した。
ゲストには平成4年度に「咲くやこの花賞」を受賞した河内音頭の河内家菊水丸が出演。私は「秘宝の館大全集1」(燃焼社)の監修をするために、彼の自宅地下にある演芸資料室に何度か行ったことがある。膨大な演芸資料が見事に整理されていたのには驚いた。真山もまた、ここを訪れ、菊水丸から真山一門の貴重な音源などを寄贈されたという。そういう縁もあって、ゲストにと請い実現したのだった。
全国的な賞はさまざまあるが、文化庁芸術祭が今年度で終わることになったいま、この賞は関西で活動する人たちのさらに大きな励みになることだろう。
真山隼人 浪曲の世界 | 咲くやこの花賞 (osaka.lg.jp)

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