松竹ブロードウェイシネマ「ザ・ウィローズ」
2022年7月8日から公開
映画館でアメリカ・ブロードウェイやロンドン・ウエストエンドで上演されているミュージカル、ストレートプレイが楽しめる。こんなコンセプトの松竹ブロードウェイシネマはすべて観ている。「キンキブーツ」のように海外でヒットしているという情報が伝わってくるものがあるが、正直言って、この作品はほとんど〝予備知識〟なく観た。人間が動物を演じるというのは「キャッツ」をはじめ、作り手、俳優と観客との〝共通認識〟があるからこそ成り立つもの。徹底した扮装、なりきりがなくても、ドラマが進むうちに違和感もなく、その動物なのだと自然に思えてくるのだ。
この作品もそう。テムズ川の近くで暮らすカエル、モグラ、ネズミ、カwクァウソ、イタチ、アナグマたちの物語。1908年、サラリーマン生活に嫌気がさして作家になったケネス・グレアムが書いた児童文学が原作。日本では「たのしい川べ」といった題名で子供たちに読まれている。調べてみると、ディズニーはアニメ映画「イカボードとトード氏」(1949年)を製作しているし、日本では「楽しいウイロータウン」(1993年)としてテレビアニメシリーズ化。「たのしい川べ」(テリー・ジョーンズ監督、1996年)という実写映画もあるそう。この舞台でも、寓話風に楽しさに包まれてはいるが、動物たちのなかにある階級、身分といったものが根底にあって、なかなか奥深い作品。
写真ⒸMarc Brenner
松竹ブロードウェイシネマ – 松竹ブロードウェイシネマ (broadwaycinema.jp)
日刊スポーツ新聞社文化部記者を経て、1990年に独立。 新聞や雑誌などで執筆活動を続けている。主な著書には 『宝塚BOYS』 として舞台化もされた 『男たちの宝塚』 や 『宝塚 幻のラインダンス』 『少女歌劇の光~ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』ひとときの夢の跡』 (共著) 『河内家菊水丸 秘宝の舘大全集』(監修を担当)などがある。FM大阪 「おとなの文化村」 出演 (終了)、文化庁芸術祭 大衆芸能部門 (関西) 審査員を歴任。 日本映画ペンクラブ会員。 日本演劇学会会員。 なにわ名物開発研究会会員。シネマコミュニケーター講座 講師などをつとめている。